■ダライ・ラマ法王によるカーラチャクラ灌頂(かんじょう) 2003.1.20 update

ナヤーサールムバーラクホー!開けましておめでとうございます。インド北部は冬もありまして、1月は結構寒いです。1月のブッダガヤは1年の中で最も賑わいます。11月から3月は観光シーズンですが、特に1月は、毎年「ダライラマ法王」がブッダガヤへいらっしゃるので、インド中、世界中からチベット人が集まって来ます。ここは本当にインドかしら?と目を疑うほどチベット人で溢れかえっています。

去年行われる予定だった「ダライ・ラマ法王によるカーラチャクラ灌頂」は、ダライラマ法王の体調不良のため、直前になって急遽延期されました。その「カーラチャクラ灌頂」が今年1月に行われます。1月7日にダライラマ法王もブッダガヤ入りされ、先に来られていたカルマパ17世に迎えられました。「カーラチャクラ灌頂」は、1月8日〜10日 土地供養とマンダラ制作開始、1月11日〜14日 予備説法、1月15日、カーラチャクラの仮面踊り、1月16日 準備法要、1月17日〜19日 カーラチャクラ灌頂、1月20日 長寿灌頂、と執り行なわれます(ダライラマ法王日本代表部事務所より)。お釈迦様が悟りを開かれた場所に建つ、マハーボディ寺院で行われます。

寺院では、五体倒地、(両手を合わせながら地面に体を這わせてまた起き上がり、それを繰り返す)をしながら大塔の周りを回る人々、数珠を片手にお経を唱えながら回る人々でごった返します。寺院の中も外も一日中満員電車状態です。寺院の外側は靴を履いていても大丈夫ですが、階段から内側は靴は禁止です。靴は汚れたもので、寺院などの聖域では裸足が原則です。寺院の入り口に靴を預ける所があります。夜は寺院中にロウソクが灯され、何とも言えない荘厳な美しさです。

冬の時期(11月から1月)は、チベット難民やブータン人がやってきて、テントを張ってマーケット(バザール)を出します。ふだんはガヤまで出かけないと買えないセーターや下着、靴下、おもちゃ、などの雑貨が売られます。日本人から見ると、それほど品数もないし、ちょっとした青空市場程度に思います。しかし、ブッダガヤの特に家の中にばかりいる女性たちにとっては、チベット難民のバザールを見て回るのは年に一度のお買い物の機会なのです。私たちも家族みんな(女性と子供たち)で行きますが、たぶん兄嫁さんたちの胸はどきどきと高鳴っているはずです。サリーの下からもはしゃいでいる気持ちが伝わります。

テントのレストランもたくさん建ちます。お気に入りのチベッ人のレストランがあって、そこのケーキやパイは素朴でシンプルですが、ほおばっているひと時、懐かしい日本の味を思い出します。中には政府の土地に無断でテントを張っている店があり、急にブルドーザーがやって来て壊されますが、すぐに次の日にまた同じ場所にテントを建てていました。猿使いの芸や子供の雑技も見られます。物乞いたちも集まってきて、寺院の前に列を作って座ります。悲しいことに見せ物小屋もできます。

チベット人の売り子たちは毎年来るので私のことを覚えている人もいます。あるおばあさんは、「元気ですか。また会いましたね」とヒンディ語で声をかけると、私の両手をぎゅっと持って、「元気だよ。良かった良かった。違う文化の中で頑張ってるね」といつも私のために泣いてくれます。難民として様々な苦労を経験しているおばあさんはとても心の優しい人です。

チベットの難民は世界中にいますが、この時期、一斉にブッダガヤへ集まります。チベット人でネパールに住んでいる友人「アマラー」(チベット語でお母さん)は、私たちのNGO「チルドレンエイド」のメンバーでもあります。子供たちにノートなどを寄付してくれましたが、当の本人も字が書けません。片言のヒンディ語と片言の英語を話しますが、字は書けないのです。チベットの騒乱の中で脱出し、娘さんたちを立派に育て上げました。ご主人が亡くなり、毎年のようにブッダガヤを訪れています。

昨年6月30日にブッダガヤは「世界遺産」に登録されました。11月からガヤの国際空港がオープンしました。ブッダガヤに巡礼に来る人々はどんどん増えるでしょう。世界中の人々が安心して幸せに暮らせる日が来ますように、、、。

注)【灌頂】密教で行う、頭頂に水を灌(そそ)ぎかける儀式。『岩波仏教辞典』より


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