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今回はブッダガヤの子供たちについてお話します。ブッダガヤはお釈迦様が悟りを開いた聖地として世界中から巡礼者や観光客が訪れる町です。マハーボディ寺院の門前には物乞いたちが並んでいます。観光客を追いかけては物乞いをする子供たちがいます。彼らはそれを職業としています。観光シーズンの時に遠い所からブッダガヤに物乞いの出稼ぎに来る人たちと、地元の貧しい子供たちです。
家の子供たちと一緒にマハーボディ寺院に散歩に行くと、何度か5歳くらいの同じ男の子が寄って来て「お金をください」と言いました。私がブッダガヤの方言で「あなたの名前は?お家はどこ?お父さんお母さんは何してるの?」と質問すると驚いていました。話をしてみると、家はお寺の近くで、学校には行っていないと言います。「お父さんとお母さんに話をしに行こうか」と言うと走って行ってしまいました。
ブッダガヤの町の中には学校がいくつかあります。しかも、授業料はびっくりするくらい安いのです。それでも、学校に行けない子供たちはたくさんいます。
私の家の子供たちは、全員学校に通っていますが、一人、お手伝いの女の子マンジュちゃんは学校に通っていません。彼女は近所の家の子ですが、その家は貧しく、兄弟はみな他の家の手伝い(家事、掃除、子守)をしてご飯を食べさせてもらっています。彼女も私たちの家に住み込みで働いています。かわいそうなようですが、ご飯を食べられるだけ幸せなのです。彼女は10歳です。私たちの家の子供の中にも同じ10歳の女の子プーナムちゃんがいます。
ある時、大学の後輩たちがブッダガヤに旅行に来ました。彼らはブッダガヤの学校の子供たちや、私の家の子供たちに絵を描いてもらったり将来の夢について質問したりしました。プーナムちゃんはすらすらと絵を書いて、「Teacher」と言いました。ところが、マンジュちゃんはいつまでたっても、クレヨンを握ったまま何も描こうとしません。話を聞いてみたら、今まで絵を描いたことがなかったのでどう描いたらいいのかわからなかったのだそうです。将来は何になりたいの、と聞くと、しばらく考えて恥かしそうに「ビービー(お嫁さん)」と言いました。学校に通ったことのない彼女は文字はもちろん、絵も描いたことがなかったのです。彼女の考えられる夢はお嫁さんであり、そしてたぶんそれ以外の可能性はないのです。マンジュちゃんのお姉さんは、8歳で結婚しました。マンジュちゃんもそろそろだと彼女の家では結婚の話が出ているようです。法律では禁止されていますが、田舎では現実なのです。
ブッダガヤから二ランジナー川の橋を渡ると、そこは通称スジャータ村と言われる村があります。お釈迦様に乳粥をお布施したと言われるスジャータの出身の村です。日本から来た友人たちとその村に行った時、10人くらいの子供たちが集まってきて、村を案内してくれました。彼らの中にはびっくりするくらい日本語や英語が上手な子がいました。村を回り終わって、子供たちは何か欲しいと言い出しました。私たちはお金を渡すのはどうも良くないと、村を案内してくれたお礼にノートをあげようと用意したのですが、一番日本語が出来た子だけ受け取ってくれません。彼はガイドとしてのプライドがあったのです。彼らはとても頭が良く、語学の才能があります。でも、彼らは学校には通っていないようなのです。学費が払えないこともあるし、毎日学校で勉強するよりも、観光客を案内してお小遣いを稼ぐほうが、彼らには得だと思えるのかも知れません。
ある時、主人のホテルの従業員と話をしていたら、彼の村には学校がなく数百人の子供たちが遊んでいると言います。ブッダガヤの町の中でも就学率は半分ほどですから、町から外れた村ではもっとひどい状態なのです。そこで自分たちでNGOを作り学校を始めることにしたのです。それから1年、438人の子供たちが6ヶ所の学校で勉強しています。
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