■名前のつけ方 2007.11.20 update

先日、生まれたばかりの赤ちゃんのお見舞いに行ってきました。3,500グラムの大きな赤ちゃんでしたが、ふにゃふにゃ柔らかくて手のひらでそうっと持ち上げると、新生児ってこんなに小さかったのねぇと感慨深かったです。日本人の奥さんとスペイン人のご主人のカップルの間の男の子だったのですが、どういう名前をつけようか、非常に悩んでいらっしゃいました。

というのも、スペイン人の中でも敬虔なカトリック信者はローマ・カトリック教会公認の聖人にちなんだ名前をつける習慣があります。女の子なら、マリア、ピラール、イサベルなど、男の子ならホセ、ヘスス、アントニオなどです。マリア・ホセ、ホセ・カルロスなどとふたつ以上の名前をつけることもできます。

聖人の名前以外では、お花の名前のロサ(薔薇)、マルガリータ(マーガレット)、オルテンシア(紫陽花)、暦の月の名前フリオ(6月)や、ギリシャ・ローマ神話からディアナ(ダイアナ)などはよくあります。インターネットの普及もあってか、外国人の名前をつけることもスペインでは流行中で、マンガの普及もあってスペイン人夫婦の長男に「セイヤ」という名前をつけたという話も聞いたことがあります。

それから、親と同じ名前を子どもにつけることもよくあります。お父さんもホセさんなら、子どももホセくん。混乱するので、子どもの方を「小さいホセくん」と呼んだりします。しかし、ホセの愛称はペペなので、お父さんはペペ、子どもはペペ・ペケーニョ(小さいペペ)と呼ばれたりして、本当の名前からはかけ離れていきます。しかも、自分の名前を「ペペです」と自分が呼ばれたい愛称で名乗ることがほとんどなので、愛称の付け方ルールを把握しないうちは、会話からだけでは、彼らの本当の名前はなかなかわかりません(笑)

話は横道にそれますが、日本語とスペイン語は同じ5母音(a,e,i,o,u)から成っています。そのために、かなり変な異口同音があります。特に日本人の名字は、スペイン語にすると笑えるものが多いのです。たとえば、「能瀬」さん。スペイン語の「No se」は、「知りません」という意味なので、ホテルの予約で「お名前は?」と聞かれて、「ノセ」と答えると、「はぁ?あなたのお名前ですよ??」。「だから、ノセ(知りません)です」と堂々巡りになってしまいます。また、「加賀」さんは、「caga=うんちをする」という意味なのですが、「加賀谷」さんに至っては、「caga ya=もう、うんちしたよ」という意味になってしまうのです。名前にしても、「マリコ」さん。もしかしたら、スペイン語の「maricon」と間違えられて、「おかまちゃん」という意味にとられてしまうかもしれません・・・。

また、名前の付けかたとして、日本人には苦手とされるLとRの区別にも注意する必要があるかもしれません。またHはスペイン語では発音しないので、「Hiroshi」くんは「イロシ」と呼ばれることでしょう。

ところで、先のご夫妻を悩ませていた理由のもうひとつには、スペイン語には女性名詞と男性名詞があり、いくつもの例外はあるのですが、Aで終わっている名前には女の子が多く、Oで終わっている名前には男の子が多いということがあります。

というわけで、スペイン語でも妙な意味にならず、スペイン語と日本語の表記が同じで、スペイン人にも発音しやすく、日本風な名前というのはなかなか難しいのです。女の子は、マリア、マヤ、リサなどいろいろと思いつくのですが、男の子は案外難しい。我が家の息子、「Ichiro」と日本では古くさい名前にしたのですが、このへんをクリアしていたつもりが、学校では、「イ チノ(中国人の意。東洋人の蔑称として使われる)」とからかわれることもあるようで、やはり名付けは難しいですね。そして、普段は「イチリート!」と勝手な愛称で呼ばれています。こうなると既に日本語ではありません(笑)

画像上:学校のスモック掛け。名札が見える範囲で左からハビエルくん、ダビスくん、セルヒオくん、イチロウくん、ホルヘくん、リディアちゃん。ちなみにダビスくんはクラスに二人いるので名字と併せて呼ばれています。
画像下:日本人会主催の餅つき大会会場の芝生にて。スペイン人と日本人の両親を持つ子どもが大部分です。純粋なスペイン名と日本人名のふたつを持つ子ども、スペイン名だけ、日本人名だけの子ども、家庭の考えによってそれぞれです。


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