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毎年1月中旬に、「ピングィーノ(スペイン語でペンギンという意味)」というオートバイの大集会が、スペイン北部の地方都市バリャドリッドで開かれます。スペイン各地だけでなく、フランスやポルトガル、イタリアなど外国からの参加者も多い、ヨーロッパでも最大規模の集会です。集まるオートバイの台数は2万6千台以上。今年で26回目でした。
ピングィーノは土日をかけて行われるので、金曜日くらいから、近郊の道路はオートバイだらけになります。集合地点の村やその近くにテントを張って野宿するツワモノもたくさんいますが、なんせ青森県と同じくらいの緯度に位置するバリャドリッド。一月中旬といえば、雪も降れば、霜も降りる。昼間ですら、霧が立ち込めることもめずらしくない寒さですから、ホテルに泊まる人が大半です。よってホテルは、市内だけでなく、近郊の村まで満室状態。その週末に街中を散歩して、歩道にずらっと停められたオートバイにピングィーノの規模の大きさを思い知りました。
まず各地から集まってきたピングィーノたちは、いくつかの拠点に設けられた受付で参加申し込みをします。バリャドリッド県や、地元ワイナリーなどの協賛企業が提供するコーヒー、スープ、骨付き肉の炭火焼、ワインなどの飲み放題食べ放題を楽しみながら、年に一度だけ会える仲間とともに週末を過ごすことが、何といっても彼らの一番の目的のようです。土曜日の昼間に行われたこのバーベキューは、市内で一番大きな公園の横で行われたのですが、そのときに並んだオートバイ軍団は圧巻。それぞれグループになってやってくるせいか、場所ごとに、めずらしいオートバイが何台も並んで、まるでモーターショーのようです。
映画に出てくるようなアンティークなものや、オートバイというより車と呼んだ方が良さそうな三輪の大きなもの。フランスから来ているサイドカー付のオートバイもありました。モーターがついた補助輪付のミニオートバイを乗りこなす3歳くらいのかわいい男の子もいました。太い腕に刺青を入れ、大きなサングラスに長髪、ひげもじゃのいかにもという感じの持ち主のピカピカのオートバイには、かわいらしいペンギンのぬいぐるみ。後ろにぬいぐるみをくくりつけたオートバイが結構あったのは、ピングィーノという名前のせいなのか、バイク野郎は寂しがりやが多いのか。めずらしいオートバイの周りでは写真を撮っている人がたくさんいました。他には、フリースタイルのショーがあったり、ハーレー・ダビッドソンの展示会があったり、夜にはコンサートが開催されたりします。
短い時間に2万6千台ものオートバイが集まり、飲酒運転する人も多いと想像できる(なんせ、ワイン飲み放題コーナーがあるくらいですから)ので、事故のことが心配になりますが、毎年、大きな事故はなく、今年は7件の交通事故で5人が軽傷を負っただけで済んだそうです。ピングィーノ運営本部を専任でやっている人はおらず、みんな本業を持ちながら、ボランティアで運営しているというのですから立派です。
しかし、開催地の村の住民は、騒音とお祭りのあとのゴミなどの後始末でうんざりしているようで、具体的にどこで開催するのか多少もめたようです。革ジャンにサングラス、大きなバイクが何十台も集団で走っていると、ちょっと怖いイメージもありますが、お祭りそのものは、終始アットホームな雰囲気。ただ、バリバリとエンジン音がうるさいオートバイが多くて、開催地の住民の迷惑さがわかるような気もしました。
ピングィーノ参加者は、この週末、平均一人300ユーロを使うそうで、その経済効果はバカにしたものでもありませんが、それよりも、ヨーロッパ中にバリャドリッドの知名度が上がるということで、バリャドリッド県はピングィーノの開催地であり続けようとしています。それで住民との軋轢を少なくするため、県内のいくつかの村に開催地を分散させました。せっかくの名物行事、これからも続くことを願っています。
画像上:サイドカー付きベスパ。後ろのおじいさんはベンチに座って見学中。
画像中:ずらっと並んだオートバイ。この日のために片道1,000km以上走ってくる人もいます。
画像下:ドクロのペイントがほどこされたハーレー・ダビッドソンにくくりつけられたペンギン。持ち主もちょっと強面の人でしたが、快く写真を撮らせてくれました。
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