■もうすぐ幼稚園 2006.6.20 update

スペインでは3才になる年(例えば今年の9月に入学するのは、2003年1月から12月に生まれた子ども)の9月から準義務教育が始まります。強制ではないのだけれど、2003年から無償になったという理由もあってか、ほとんど全ての子どもが3才から学校に通い始めます。12月生まれの子どもの場合、2才8ヶ月で集団行動に入ることになります。保育園と違って、おむつは一切替えてくれないので、学校が始まる年の夏にはトイレトレーニングをすませないといけません。おもらしすると、着替えさせるために、即、親が呼び出されるのだそうで、戦々恐々。

公立と私立の学校がありますが、公立の中でも給食があるところないところ、政府の指定校で英語での授業がメインになっているバイリンガル校、などなど学校の特徴もさまざまです。公立の場合、自宅住所もしくは勤務先住所から入学できるところが限られてきます。定員が決まっているので、人気のあるところは希望しても入れないことがあるようです。特に受験などがあるわけではなく、学校に近い、兄弟がその学校に通っている、親の収入、大家族、ハンディキャップの有無、などによって選ばれます。

入学願書を出す時期は学校に張り出され、その後、わずか一週間の間に必要書類を揃えて提出しなくてはいけません。わたしの息子も今年から入学することになるのですが、公的機関から「就学のお知らせ」などは一切来ないので、なんとも心許なく、近所の人に様子を聞いたり、学校に直接行って秘書に質問したり。結局は、秘書にもはっきりしたことはわからないそうで、受付期間になるだろうといわれた頃に毎日学校まで張り紙がでていないか見に行くことになりました。そして何とか無事に書類を提出できたものの、第一希望の学校は定員が25名で希望者も多いという評判だったので、入学できるかどうか心配していました(第二希望、第三希望を指定することになっていて、必ずどこかの学校には入学できます)。

そして書類を提出してから約一ヶ月後、驚くべきことに、前述の条件がすべて点数化され、学校の玄関に堂々と張り出されていました。つまり、道行く人に我が家の経済状況などは丸見え。個人情報を大切にする、などという考えとは無縁というか、粗野というか。点数は張り出されたものの、どこの学校に通うことになるのかが判明するのはさらに一ヶ月ほどかかり、ようやく入学が許可された児童の氏名一覧が張り出されたので、申込用紙をもらいに事務室に行くと、「秘書は授業中だからちょっと待ってて」と言われてビックリ。授業も秘書業務もやっちゃうんですねぇ。授業中の生徒を一人呼び出して、他のクラスの授業をしている秘書を呼びに行かせたのにもビックリ。まだまだスペイン生活も知らないことが多そうです。

各学校にはそれぞれ心理士と言語聴覚士のチームが配属されていて、トラブルをかかえた子どもや親の相談にのってくれます。2004年のスペイン同時列車爆破テロ事件で、政権が交代し、外国人の受け容れが大幅に緩和されたので、スペインは移民が増え続けているのです。その関係で、スペイン語を全く話せない子どももたくさん入学してくるので、このチームの存在はいろんな意味で大きな支えになっていると思います。

ちなみに3才から6才までの3年間が幼児教育で準義務教育、6才から12才までが小学校、前期中等教育が12才から16才までで義務教育。その後は、後期中等教育が16才から18才まで。大学が4年から6年間。技術短期大学が3年間という教育制度になっていて、ほとんどが各自治州の管轄下におかれています。憲法によってスペイン語がスペイン全土の公用語として定められていますが、各自治州は、地方自治憲章によってスペイン語に加えて地方語を自治州の公用語として定めることが可能になっているので、学校でも自治州の公用語で授業が行われることもあります。おかげでバイリンガル、トリリンガル、マルチリンガルという子どももめずらしくはないようです。今は英語が通じにくいスペインですが、10年後にはまた違ってくるのだろうなぁと感じています。

画像上:息子が通うことになった小学校。一学年25人です。
画像下:玄関のところには、課外授業や展覧会など様々なお知らせの紙が貼ってあります。


<<もどる