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スペインといえばタバコ天国。ベビーカーを押す女性のくわえタバコもめずらしくなく、まだほんの子どもにみえる若者が紫煙をくゆらせている姿もごく普通の風景。一昔前は、病院の階段にすら吸い殻がいっぱい落ちているなんてこともあったくらいです。スペインの空の玄関であるバラハス空港では、ターンテーブルをまわってくる荷物を待っている間にイップクつける人が特にとがめられることもありませんでした。実際、市場調査会社のユーロモニターによると、スペインは1人当たりのタバコ消費量がギリシャに次いで欧州第2位。
そんなスペインもEUの他国の流れをくみ、2006年1月1日、大きく変わりました。新タバコ法が始まったのです。職場や病院、学校、ショッピングセンターなど公共施設の閉ざされた空間内では一切喫煙禁止。施設内でのタバコの販売も禁止されました。あちこちにあったゴミ箱兼用の据え置き型灰皿は撤去され、施設内のタバコ屋は昨年のうちに在庫一掃処分を行い、廃業をやむなくされました。
タバコ屋以外での販売は禁止されたので、キヨスク(町のあちこちにある雑貨屋)でもタバコは取り扱えなくなりました。ひとつ5センティモ(約7円)のお菓子や、一部1ユーロ(約140円)の新聞、数ユーロの雑誌を取り扱っているキヨスクで、タバコは主要商品だったろうにこれから大変だろうなぁ。BARやレストラン内の自動販売機設置は許可されていますが、タバコの広告は禁止。タバコ屋も、外から見えるショーケースに広告を置くのは禁止されました。
一般の喫煙者にも影響はもちろんあり、勤務中、タバコを吸うためには外に出なければなりません。そのために、例えば4本タバコを吸う人はエレベーターで外に出て、一本つけて、また戻って、とやることで、一日一時間はロスタイムが生まれるだろう、という計算。少なくとも勤務時間中のチェーンスモーカーはいなくなりますね。
敷地面積が100平方メートルを超えるBARやレストランは禁煙室を設けるか、全面禁煙にしなければなりません。単にスペースを分けるだけでなく、ガラスで仕切り、換気扇を設置するという大がかりな工事をしなくてはならないため、改修費が大変ということで、こちらもやむなく禁煙にするところが多いようです。100平方メートルぎりぎりのところでは、物置を造ったりして、スペースを狭くし、と苦肉の策で乗り切っているところもあるようです。100平方メートル以下の小さいBAR(ほとんどのBARがこれにあたる)では、禁煙か喫煙可かを選ぶことができます。
調べによると、実際には90%近くのBARが以前同様喫煙可能。「職場から追い出されて寒空の下でタバコを吸わなくちゃいけなくなったお客さんをうちからも追い出すわけにはいかないさ」というのがとあるBAR店主の弁。タバコを吸わない店主の本音は「禁煙にしてもいいけど、お客がタバコを吸うのをとめられなかったら罰金を払うのはこっちだ。なんだか面倒だ」というところかもしれません。
違反した場合、初回の場合が30ユーロ(約2,800円)の罰金。再犯の場合は最大600ユーロ(約84,000円)。悪質な場合は10,000ユーロ(約140万円)までの罰金が科せられます。ただ何だかまだ法律が整備されていないらしく、違反した人を告発する場所は定まってないし、警察や係員が見回りにくるわけでもないそうで、どんな風に動いていくのか不明な点が多々あります。
政府は、この法律の導入によって、人口全体の3分の1が喫煙者とも言われている現状を、今後2年間で5%削減したい考えだそうです。税収減もなんのその。少なくとも、キヨスクで子どもがお菓子と一緒にタバコを数本買うなんていう、ひどい状況はなくなりそうです。購入可能年齢も16歳から18歳に引き上げられました。
画像上:黒いシールで広告が覆い隠されたタバコ自動販売機。
画像中:喫煙可の張り紙。入り口に貼ってありますが、まだ禁煙の張り紙は見たことがありません。
画像下:銀行に貼ってあった禁煙のポスター。以前は長い待ち時間にタバコを吸う人も割といましたが、今は全くいません。法律化の効果はあるようです。
【短信】新年早々、郵便料金に消費税16%が課税されることになりました。が、新タバコ法に隠れて、ニュースにもなりませんでした。(1/6)
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