|
日本では、忘年会や新年会でお酒を飲む機会が増える時期ですね。スペインでも、企業によっては、Cena de Empresaといって夕食会を開くところもあるようです。ただし、ここで酔っぱらうまでしこたま飲む人は少数派。週末に若者がディスコで朝まで騒いで、酔っぱらっているのはよくある風景ですが、良い大人がスーツ姿でちどり足、というのは滅多に見かけません。おそらく、平日でもBARで一杯飲むのが日常的であり、お酒そのものが安いので、ここぞとばかりに飲んだりすることがないからでしょう。BARやレストランで「飲み放題食べ放題」なんてところが存在しないことも理由のひとつかもしれません(もしかしたらコレが一番の理由だったりして。苦笑)
スペインは葡萄の生産量が世界一で、ワインの産出量は世界第三位のワイン大国です。ボトル一本100円程度のデイリーワインから、一本数万円もする高級ワインまで、さまざまなワインがあります。国内よりも、主にイギリスで消費されていると言われるシェリー酒はスペイン特産で、アンダルシア地方を中心に作られています。一度天日干しした糖度の高い葡萄から作られる甘いデザートタイプ、きりっと辛口のものまで、ワインと同様にシェリー酒にもいろいろあります。ワインは食事中に飲みますが、シェリーは食前酒として、もしくはBARで一杯、という感じで飲まれます。
スペイン生活には欠かせないBARには、驚くほどいろんな種類のお酒が並んでいます。まずはビール。瓶ビールとビールサーバから直接注がれるものがあります。一杯1ユーロ(約140円)前後です。ワインには、産地統制委員会の指定を受けていないもの(グラス一杯50センティモ前後、約70円)と、受けているもの(グラス一杯1ユーロ以上。約140円)があります。一般的に、指定を受けているものの方が美味しいのですが、秋口の地元ロゼワインは葡萄の香りも香しく、なかなか捨てがたいものがあるし、安い赤ワインとソーダを混ぜて飲むTinto con Gas(ティント・コン・ガス)もジュース感覚で美味しいです。
他にも、ブランデー、アニス酒、ウィスキー、ジン、ウォッカ、各種リキュール、ワインをつくるときに出る葡萄の搾りかす(ブドウの皮や種子、果軸など)から蒸留されてできるオルホ(イタリアのグラッパ、フランスのマールと同じ)、などなど。ほとんどのBARがオシャレとはほど遠く、いわばスペイン版角打といっても良い庶民的なところなのですが、どこでもこのくらいは揃っています。グラス一杯1ユーロから3ユーロくらいで飲めます。オルホは、自家製のものが(税金の関係で)こっそりカウンター下に置いてあって、知っている人だけに出すところもあるようです。
と、お酒天国のようなスペインですが、「カクテル」という文化がいまひとつ。ジントニックや、コークハイのような、お酒とジュースを混ぜたものはあるのですが、果物を搾ってアンティークのグラスに注いでミントの葉を飾って、などという手の込んだものには今までお目にかかったことがありません。100種類以上あるのではないかと思われる充実したリキュール類ですらロックで飲むだけ。あるとき「ここはいけるかな?」と感じた地下のオシャレBARでブラッディマリーを作ってもらい、タバスコを入れてくださいと頼んだのが運の尽き。辛くて飲めませんでした。果物が安くて美味しい国なので、美味しいカクテルもできると思うのですけどねぇ。ちなみにジントニックは、「グラス半分がジン」と注ぎっぷりの良いところも多いので、旅行中の方はご注意ください。
そうそう、少し高級なお酒には逆流防止のキャップがついています。実はこれは中身入れ替え防止のためにつけられている、という説もあります。二日ほど原因不明の腹痛で倒れた夫に「あそこの酒はダメなんだぜ」と教えてくれた友人が言っていました・・・。
画像上:とあるBARの風景。ウィスキー類が並んでいます。
画像下:「寿司」と漢字でラベルがついたワインを見かけました。スペインは今、日本ブームなんですよ。
【短信】相変わらず不動産バブルで新築ラッシュのスペインですが、ルノー社やセアット社などの経営不振でかなりの解雇があり、雇用回復を求めたデモがありました。一気にバブルがはじけないことを祈るような気持ちです。(12/8)
|