■全国美味い物市 2005.9.19 update

スペインは気候や文化・風習はもちろん、話されている言葉も地方によって違う(これはまたいつかお話しようと思います)ので、非常に「お国自慢」が強い土地柄だと感じます。食べ物にしても例外ではありません。ですので、ここに来ればコレを食べなくちゃ!というものが必ずあります。

「名物に美味い物なし」なーんて諺が日本にはありますが、スペインではあまりあてはまらないような気がします。まぁ、残念ながら日本のガイドブックに載っている有名レストランで食べるより、地元の人で混んでいる小さなBARの方が美味しかったりするのも事実ではありますが。海辺に面した地域では海産物が美味しいし、内陸では煮込み料理や生ハムなどの保存食が美味しい。フランスに近いところではちょっと凝った美しいタパス(おつまみ)が楽しめます。今回はそんな話を少ししてみようかと思います。

わたしの住むバリャドリッドでは、9月はじめに大きなお祭りがあり、移動遊園地の隣にあるサッカー場の駐車場に「地方別屋台村」みたいなものが出店されます。バリャドリッドに住んでいる地方出身の方が作る、いわば県人会のようなものの主催です。ぐるっと一回りすれば、各地方の美味しい物が食べられるので、なかなかの人気です。

カスティージャ・イ・レオン州はお膝元なので、各県別に屋台が出ていました。アビラ県の名物はアビラ牛。サラマンカ県はドングリを食べて育ったイベリコ種の黒豚の生ハムが絶品。セゴビア県は子豚の丸焼き。ブルゴス県は生ハムを作るときに出る豚の血で作るソーセージが赤ワインによく合います。サモーラ県では同じく豚の生ソーセージのチョリソとお米で作るパエリアのようなアロスが美味しかったです。屋台では、さすがに子豚の丸焼きはメニューにありませんでしたが、赤ワイン、ロゼワイン、白ワイン、どんなワインも美味しいので、カナッペスタイルのおつまみを頼んで楽しみました。

バリャドリッドからまっすぐ北にむかって300キロ程度のところにカンタブリア州があります。カンタブリア海に面していて、海水浴場としても人気の場所ですが、ここはイワシが名物です。ウロコもとらず、そのまま炭焼きにしただけですが、ほんのり甘くて、あぁ美味しい。

カンタブリアからフランスの方にまた200キロ程いくと、ナバーラ州。日本でも牛追い祭りで有名なパンプローナがあるところです。アスパラガスやレタスなど野菜の美味しい地域です。チストラという細長いソーセージも絶品。ナバーラ州の南にあるラ・リオハ州はスペインでも赤ワインで有名な地域です。グラスワイン(実際はプラスティックのカップですが)は、一杯1ユーロ(約135円)。仲間がいれば、ボトル一本5ユーロ(約675円)の方がかなりお得です。飲みきれなければ、次の屋台に持って行っても大丈夫です。

ポルトガルの北部にあるガリシア州は白ワインと海産物が絶品。特に茹でたタコにバージン・オリーブオイルとパプリカをかけたプルポ・ア・ラ・ガジェガと、ししとうを同じくオリーブオイルで炒めたピミエント・デ・パドロンがお勧め。豚の耳を茹でてパプリカをかけたオレハもなかなか捨てがたい。

ガリシア州のお隣、アストゥリアス州は、ガリシアとともにケルト文化の影響を強く受けています。ここで美味しいのは、白インゲンをチョリソで煮込んだファバダ。チョリソを名物のシドラ(リンゴ酒)で煮込んだチョリソ・ア・ラ・シドラ。シドラは空気に触れさせるため高いところからコップに向けて注ぐのですが、これがまたお祭り気分を盛り上げます。

南部は、ラ・マンチャのチーズ、エストレマドゥーラのナスの酢漬け、オリーブ、アンダルシアのシェリー、小イカの揚げ物、アフリカに位置し、アラブの影響を受けているメリージャのスパイスをふった豚肉の串焼き(ピンチョ・デ・モルーノ)、ミントティー。

ちなみに今年は10人くらいで6、7屋台をまわって、たっぷり飲んでたっぷり食べたなぁと満足しましたが、一人12ユーロ(約1620円)程度でした。数年前は半額で楽しめたんですけどねぇ。ユーロになってすっかり物価が上がったスペインからのレポートでした。

画像上:カンタブリア州の屋台前でイワシを食べる人たち。ワイン樽がテーブル 代わり。
画像中:アストゥリアス州の屋台前で、シドラ(リンゴ酒)を注ぐ人。シドラは空気に触れさせるため高いところから注ぐのですが、上手な人もいれば面白半分の人もいて、道路はべたべた。
画像下:道路に座り込んで飲み始める人たち。ペーニャ(集まり、サークルという意味)と呼ばれるグループで、友人同士、ご近所同士がお揃いのTシャツでお祭りを楽しみます。車庫や倉庫を借り切って、お祭りの間中、ペーニャで飲み食いする人たちもいます。

【短信】9月に入り、すっかり冷え込んでいるスペインです。毎年のことなのに、慌てて冬物を出しました。昼間の陽射しはまだまだ強いので、一日の寒暖差で風邪をひく人が増えるのもこの時期なんですよ。(9/8)


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