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何度か、この「各国いまどき報告」でもふれましたが、スペインの夏休みは長い長い。小学生でも6月末から9月中旬まで、たっぷり3ヶ月近い夏休み。おまけに宿題はちょびっと。夜9時を過ぎてもお日様が高いし、両親も遅くまでテラスでビールを楽しんでいるから、子どもだって、夜中まで外で遊んじゃう、というのが典型的なスペインの夏の光景です(昼間も子どもだけが公園で遊んでいる、ということはありません。10才くらいまでは必ず誰かが様子を見ています)。
では、昼間は何をしているか。お昼寝もしますが、それだけじゃ、子どものはかりしれないパワーは使い切れない。小さいうちから外国語を学ばせようと、イギリスやフランスのサマースクールに入れる家庭もありますが、誰もがみんな行けるわけではありません。夏祭りや、市が主催する音楽や体操やダンスや観劇をはじめとした様々な夏期講習だけでは物足りない。そこで、みんなが行くのが近くのプール。
自治体の援助があるので、住民は夏の間の通し券を非常に安く購入できます。例えば、わたしが住んでいる村には2つのプールがあるので、その両方と他の1つの隣村のプールにも入場できる権利をあわせて、夏の通し券が家族3人用で35ユーロ(約4500円)。毎日行っても何回行っても同じ値段ですから、暇さえあれば、みんなプールに通うわけです。というか、基本的に夏は仕事も学校もなくて、みんな暇なんですよね。
プールには、着替え室もありますが、大抵、家から水着を着た上にTシャツをかぶり、芝生に敷くバスタオルと体を拭くタオルを持ってやってきます。プールからあがったときに濡れたままでは冷えるので、換えの水着を持ってくる準備の良さにも感心します。もちろんジュースや果物、サンドウィッチなども持参。夜の間に水温が下がるせいか、午前中に行く人は少なく、ギラギラ刺すようなお日様が少し柔らかに変わる午後5時から6時ぐらいからがプールタイム、という家庭が多いようです。
スイミングキャップは必須。泳げない子どもは、胴につけるドーナツ型の浮き輪ではなくて、背中に亀の甲羅のような浮き袋をつけたり、腕に浮き輪をつけるのがポピュラーです。その方がひっくりかえってもおぼれる危険性が少ないからでしょう。生まれたての赤ちゃんを除いて(スペインの陽射しはきついので、さすがに避けるのでしょうか。スーパーなどでは生後数週間くらいの赤ちゃんを見かけますが、プールでは見かけたことがありません)、よちよち歩きの赤ちゃんもたくさん来ています。大人の膝下ほどの赤ちゃんプールは、水泳用オムツをつけたチビちゃんたちで大にぎわい。
しっかり泳げるようになった子どもは、大人用のプールで遊びます。スペインのプールは水深1メートルくらいの、子どもに優しいタイプがなくて、水深30センチの赤ちゃんプールの次は、いきなり水深2メートルになります。当然、子どもは足がつきません。というか、大人だって足がつかない。そのせいなのか、子どもは泳がずに飛び込んでばかりいます。あちこちで、じゃぽーん!きゃー!という歓声が響き渡ります。大人もまともに泳ぐ人はいなくて、ちゃぽちゃぽ浮かんでいたり、子どもの相手をしたりするだけ。健康作りのために泳ぐ、というのは屋内のスポーツ施設でしかできないようです。
他にも芝生で本を読みながら日光浴に専念する人、併設されたBARで、ビールを飲んだり、トランプに高じたりするグループなど、楽しみ方はさまざまです。そうそう、年をとっても、多少太っていても、ビキニの人が多いですね。着替えるのも楽ですし、涼しいですし。市民プールでも家族連れでもトップレスで体を焼く女性もめずらしくありません。慣れないうちは、友だちがトップレスになると、ちょっと目線のやり場に困っちゃうかもしれませんけどねぇ。
画像上:自宅から徒歩5分のところにある公営プール。芝生が整備されているのが心地よいです。
画像下:プールのBARで飲むビールは格別。
【短信】6月、日本に一時帰国していたのですが、ねっとりとした湿度の高さに参りました。スペインに戻ったら、痛いほどの強い陽射しで昼間はとても歩けたものではありませんが、それでも軽やかな空気と日陰に入れば涼しい風に、心も体もうれしい気分です。(7/7)
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