■オリーブオイル 2005.2.21 update

カーニバル(謝肉祭)の仮装コンテストも一段落し、桜によく似たアーモンドの花が咲き始めるこの時期、一番搾りのオリーブオイル、いわゆるバージンオイルの出荷が始まります。オリーブの実自体の収穫は10月から11月です。

オリーブはモクセイ科の常緑樹で、ヨーロッパの地中海沿岸地域に集中しています。スペインはオリーブオイルの生産量世界第1位で年間60〜90万トン、世界の総生産量の約30%から40%を産出しています。ちなみに第2位はイタリアで40〜60万トン。次いでギリシャが30〜40万トンです。

もしかすると、イタリアのオリーブオイルの方が日本では有名かもしれませんが、スペインはイタリアへもオリーブオイルを輸出しています。つまり、スペイン産のオリーブオイルが洒落たイタリア製のボトルに詰めかえられて、「イタリア製」として売られていることも多いのです。

スペインには、300種にも及ぶオリーブの品種があります。国内生産量の約50%を占めるPicual(ピクアル)は日持ちがよく、加熱しても酸化しにくいのが特徴。Hojiblanca(オヒブランカ)はオレイン酸とリノール酸のバランスが良いため、食事療法に適すると言われています。リンゴのような香りがし、アーモンドのような後口が残るArbequina(アルベキーナ)、フルーティな香りとアボガドのような味わいを持つCornicabra(コルニカブラ)などが主なところです。オリーブオイルはこれらの品種を単独で、もしくはブレンドを施して作られます。そのため、ワインと同様、その味わいは千差万別なのです。

また、オリーブの果実から熱を加えずに採油したバージン・オリーブオイル、そのバージン・オリーブオイルと精製オリーブオイル(バージン・オリーブオイルの中の感覚的な刺激や酸度を脱酸、脱臭、脱色などの精製処理で取り除いたもので無味無臭)をブレンドして作られるオリーブオイル(日本ではピュア・オリーブオイルと呼ばれています)とクラス分けされます。バージンオイルの中でも、オイル中に含まれる遊離オレイン酸の割合が0.8%以下のものをエクストラ・バージン・オリーブオイル、2.0%以下のものをバージン・オリーブオイルと呼びます。

生産量世界一の国だけあって、オリーブオイルは日常生活にもしっかり根付いています。例えば朝食のパン。バターを塗る代わりに、オリーブオイルをたらし、塩をふって食べる方法がとてもポピュラーです。ニンニクやトマトをすりつけたり、生ハムをのせたりするとさらに美味。サラダも、バージン・オリーブオイルとワインビネガーと塩だけ。新鮮な野菜には、ほんのり甘いバージン・オリーブオイルだけで十分なのです。オリーブオイルにフレッシュなハーブやニンニクをつけ込んでオリジナルのハーブオイルを作っても美味しくなります。少し乾き始めたチーズにオリーブオイルをかけるとまた違った味わいを楽しめます。

他にもたっぷりとオリーブオイルを使うスペイン料理ですが、植物油の中では、高温や酸化に対して最も強く、酸化の原因となる「揚げカス」さえきちんと取り除けば、5〜6回揚げ物に使っても大丈夫。さらに、素材に素早く熱を通し、オイル自体は素材の表面に留まり、あまり中へ浸透しないので、素材の持ち味も生かされます。また、余分な脂質の摂取をさける事にもつながります。

酸化を防ぐため、出荷直前にボトル詰めされるオリーブオイルですが、製造元では濾過していないオリーブオイルが手に入るのだそうです。衛生上、スペインの法律では濾過していないものは販売禁止ですので、小売店では入手できません。搾り立てオレンジジュースがパックのものより格段に美味しいのと同様に、この濾過なしのオリーブオイルもそのまま舐めても美味しいほどです。

画像上:パン・コン・トマテ(トマト付きパン)の材料。バゲットを軽くトーストしてからトマトをぬりつけ、オリーブオイルを少したらし、塩少々。
画像下:スペインで最も古い原産地呼称のマーク。オイルの品質や生産地を保証するもので、酸度、収穫方法、製造方法、貯蔵方法、など様々な条件が定められています。



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