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空港はその国の匂いがする、と言われています。日本はお醤油、韓国はキムチ、そしてスペインは黒タバコの大御所「ドゥカドス」の匂い。葉巻に近い匂いがします。喫煙率が非常に高い上に、タバコに関して寛容な国なので、長時間飛行機の中で我慢していたスモーカーが荷物受け取りのターンテーブルの周りで早速火をつけるからなのです。さすがのスペインも空港内は、喫煙コーナー以外は本来禁煙なのですが、多くのスモーカーはお構いなし。
2004年初めの調べによると、タバコの平均価格は、イギリスが6.59ユーロ、フランスが5ユーロに対し、スペインは1.95ユーロ。欧州の中ではかなり安い方ですね。そんなに高い嗜好品でないせいか、タバコに火をつける人が、周囲の友人に「吸う?」といちいち声をかけるのもこの国の習慣でした。女性がタバコを吸うのも普通のことなので、わたしも何度も勧められました。逆に「タバコ、持ってる?」と、知らない人にねだられることもありました。
「ありました」と、過去形なのは、EU加盟後、イギリスなどの禁煙先進国に引きずられ、タバコの値上げ、広告の全面禁止、パッケージ半分に黒々と印刷された「タバコはあなたに死をもたらします」や「タバコはインポテンツの原因になります」等の警告が掲載されるなど、国全体の禁煙化が着々と進められているおかげで、喫煙は悪い習慣だと人々に認知されてきたようで、この光景も少なくなったように思えるのです。
子どもや非喫煙者の健康を守るための分煙化を一層推し進めるべく、スペインの法律では、2006年から、病院、体育館、カルチャーセンター、食品を取り扱う場所、食品を販売する場所、交通機関、エレベーター、公衆電話ボックス、キャッシュディスペンサー、公的サービスを受ける場所などで喫煙を全面的に禁止します。また喫煙コーナーを作る義務があるのは、職場、商業地域、100平米以上のレストラン、映画館、劇場、娯楽施設、空港です。つまり、公的な場所では喫煙コーナー以外での喫煙は禁止されることになります。
またタバコの販売場所も減らし、18才以下への販売は禁止されます。病院、教育機関、文化・スポーツセンター、子どもが利用するような場所での販売も全面的に禁止。タバコのコマーシャルやプロモーションも禁止され、タバコによる死亡が年間5万人にものぼることなどタバコの害について広告されていきます。法律では18才から喫煙が許されますが、調査によると喫煙者は平均13.5才からタバコを吸い始めています。子どもの喫煙は成長や健康に及ぼす問題も深刻ですし、習慣性が強くなるため、将来的になかなか止めらないことがスペインでも非常に重大視されています。
そのためパッケージの警告効果をあげるために、死体、ガン性の腫瘍、ボロボロの歯、病気の臓器などの、相当にショッキングな写真にすることが検討されています(*)。これは2001年にカナダで始まり、タイ、ブラジル、シンガポールが追従。それなりに効果をあげているそうです。大人のふりをしたり、格好をつけたりするためにタバコを吸い始める子どもには「見た目が悪いパッケージ」は抑制効果がありそうです。
(*)http://europa.eu.int/comm/mediatheque/photo/select/tabac_en.htm
タバコを止めたい人への病院や公的機関の援助もあり、ニコチン入りのガムやシールは薬局で気軽に買えます。ところで、結婚式や記念日など特別な夕食の後にだけ葉巻をふかすんだ、という知人がいるのですが、吸わない人に迷惑をかけず、自分の健康も損なわず、そんな風に好きなモノを楽しめると良いなぁと思います。
画像上:タバコの自動販売機。ちなみに、マルボロが2.8ユーロ(約380円)、キャメルは2.45ユーロ(約330円)。
画像下:警告文:喫煙はあなたと周囲の人の健康に重大な影響を及ぼします。
【短信】毎日霧が深く、寒い日が続いている中、クリスマスの飾り付けやお菓子の販売が始まりました。いよいよ今年も終わりですね。(12/3)
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