■スペイン流育児 2004.5.17 update

スペインは欧州連合でもっとも出生率が低い国なのだそうです。出生率は欧州平均を約50%も下回る1.1人。その割にはどこでもベビーカーをよく見かけるのは、積極的に赤ちゃんを外に出す習慣があるからでしょう。赤ちゃん連れだといつもに増していろんな人に話しかけられるのですが、いろいろと育児方法にも違いが発見できて面白いです。

赤ちゃんは生後直後から体を横向きにして寝かせられます。背中に軽くタオルをあてて仰向けにならないようにする場合もあります。これは主にミルクの吐き戻しによって窒息することがないようにするためですが、頭の形が良くなるという利点もあります。添い寝は甘やかしとされ、悪い習慣なのでしないように言われます。

生後二週間もたてば毎日お散歩に連れ出します。すぐに着られなくなるだろうにサイズぴったりのお洋服を着せ、靴も履かせます。「外出用の洋服に着せ替えて散歩に出すのは一日一回が限度だわ。」というお母さんのグチを聞いたことがありますが、それもそのはず。産後の疲れた体で、小さくてフニャフニャの赤ちゃんに、機能的とはとても言えない、おしゃれなリボンがあちこちについたお洋服を着せるのは結構大変です。

ベビーカーは、新生児用のベッドタイプ、腰がすわる前の包み込む形のタイプ、2才くらいまで使えるイスタイプがセットになっていて、長く使えるのはもちろん、とりはずしてゆりかご、車につけてチャイルドシート、と機能も充実しています。

「(あまり泣かずによく眠る)良い子?」というのは挨拶のように聞かれる質問です。「よく泣くんです。」と答えると、「お腹にガスがたまっているのかも」「歯が生えてきてるんじゃない?」などと驚くほど真剣に相談にのってくれます。逆に「夜泣き」や「人見知り」などはあまり言われません。お腹にガスがたまると赤ちゃんは痛がって泣くので、予防のためにカモミールティを飲ませるのだそうです。もちろん病院でも治療してくれます。

「歯が生えるときの痛み対策」も、水が中に入っている歯がためを冷蔵庫で冷やしたものを噛ませるとか、痛み止めを歯茎に塗るとか、いろいろと考えられています。日本は「歯が生えてくるとむずかゆいから歯がためを噛ませる」と言いますから、ずいぶん違いますね。カモミールティは、赤ちゃんの目や口のまわりのふきとりにも使います。

離乳食の進め方もだいぶん違います。6ヶ月くらいから離乳食を開始するのは同じですが、ひとつの食材をスプーンひとさじずつ慎重に進めていく日本と違って、スペインでは6ヶ月になっていれば、米、野菜、鶏肉、牛肉などよく煮たものをミキサーにかけ、何種類でも一度にあげて良いとされています。ミキサーにかけたものを製氷ビニールに冷凍しておけば一週間はレンジでチン!で離乳食ができあがるので非常に楽です。また、魚の方が肉よりもアレルギー源になりやすいため、鶏肉か牛肉から始めます。豆類も一才までは食べさせませんし、小麦粉に含まれるグルテンも離乳食の初期ではとらないように気を使います。そして、かなり大きくなってもベタベタなピューレ状の離乳食を続けて食べさせます。

月齢が上がるとミルクにはシリアルを溶かして入れるのですが、そのシリアルに舐めてかなり甘いほど砂糖が入っているのには驚きました。市販のベビーフードも砂糖入り。離乳食を食べない赤ちゃんにはお医者さんが市販のベビーフードを使ってみるように勧めるのだそうです。なめらかで口当たりも良い上に、お砂糖が入っていれば赤ちゃんも食べやすいでしょうからねぇ。

そうそう、土足の部屋で赤ちゃんはハイハイをどうやって覚えるんだろう?と疑問だったのですが、「土足禁止の部屋を作るのよ。」とか「パルケ(ベビーベッドの柵が網になったもの)の中で覚えたわよ。」とみんなが教えてくれました。が、友人宅に遊びに行ったとき、彼女の赤ちゃんは、わたしたちの靴のまわりをごろごろ寝返りで移動していました・・・。マットで泥をよく落として家に入るので、気にしないみたいです。たぶん、これが一般的なんじゃないかなと思います。

画像上:ビスケット型のシリアル。哺乳瓶に入りやすい形になっています。赤ちゃんがそのまま持って食べてもOK。
画像下:水が中に入っている歯がため。わりと柔らかめです。

【短信】5月22日はスペイン皇太子の結婚式です。当日は、18万本の扇が配られ、パレードを盛り上げるようです。


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