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流通通貨の単位がペセタからユーロに替わってから、物価上昇の激しいスペインですが、中でも不動産の値上がりには目を見張るものがあります。1997年くらいから徐々に上がり初め、2003年の住宅購入価格は平均15.8%も上がったそうです。マドリッドやバルセロナは言わずもがなですが、地方都市でも、ほんの数年で倍額になった物件もめずらしくありません。お給料はそれほど上がってないのですから、かなり異常な値上がりと言えます。
この不動産高騰の始まりは、国際的には今ひとつ信用のなかった旧スペイン通貨「ペセタ」から信用できる「ユーロ」に替わったことによって、国外の投資家がスペインの高級リゾート地に、ヨーロッパの中では割安感のあった別荘を買い占め始めたことから始まったと言われています。それによってリゾート地だけでなく、一般の住宅も高騰が始まりました。株価低迷の影響もあって、銀行に預けるよりも簡単に多額の利益が得られる不動産投資はお金持ちの間で大ブームとなりました。1997年以前に新築のピソ(アパート)を買い、最近売った人は間違いなく買値の2倍で売れたはずだ、と言われています。
建てれば売れるというワケで、市内から少し離れたようなところでは、「いったい誰が買うんだ?」と疑問に感じるほどの建築ラッシュ。わたしなどは、日本のバブル時代とその崩壊の悲劇を思わずにはいられませんが、スペイン人は「不動産は絶対に値下がりしない」と口を揃えます。独身の20代の若者が買うのはまだ分かるとして、失業している40代の人まで長期のローンを組んでピソを買っています。
確かにここ数年は低金利(2.3%)ですので、高い賃貸料を払い続けるより、多少の無理をしても購入した方が将来のためだという考え方もわかります。ただ「売りたくなったら購入価格より高く売れる」とみんなが思っているようなので、大丈夫かなぁと他人事ながら心配になります。ある日突然、暴落したりしなければ良いのですが。
ところで、スペインのピソは一般的に壁が薄く、隣の家の目覚まし時計や電話の声が筒抜け、ということがよくあります。それが新築物件に関しては一層ひどく、隣の家との壁が石膏ボードだったとか、屋上階の一部が崩壊したとか、突貫工事のところもあるようなのです。そんな風なので、古くても作りのしっかりした中古住宅を、と思う人が多いせいか、築30年、40年の物件が売りに出されているのは当たり前。新築のものと値段がたいして変わらなかったりもします。もちろん中古なら安心か?といえばそうでもなく、水回りのリフォームが必要になった場合は大工事になりますから、購入前にはしっかりとした見極めが必要なようです。
儲かるのでしょう、不動産屋はどんどん増えています。「あれ?ここ、以前はたしか文房具屋だったのに、また不動産屋になってるー!」と驚くこともしばしば。建材関係、大工、水道工事などの職人さんはいつも忙しそう。工事現場の近くのBARやレストランは昼時にはごった返しています。さすがに若者が高級ブランド品を身につけたり、国外旅行が大流行だったり、ということはありませんが、好景気であることは間違いないと思います。
それでも、企業に勤める20代前半の人の月給が約900ユーロ(12万円)というのが普通のスペインで、日本のマンションとさほど変わらない価格になってきているスペインのピソを買うのは並大抵のことではありません。その上、売り物件が増えたために賃貸物件が不足し、賃貸料がはねあがるという事態もひきおこされています。庶民はいつの時代も苦労する、ということでしょうか・・・。
画像上:工事現場。古い建物が壊されたと思うと、新しいピソ(アパート)の建築が始まります。
画像中:「売ります」不動産屋がお客さんを案内しています。
画像下:不動産屋。ピソや一軒家、倉庫などいろいろな物件の張り紙がしてあります。
【短信】もうすぐカーニバルの季節なので、スーパーや100ペセタショップには仮装の衣装や道具が並び始めました。(2/7)
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