■こんにちは、赤ちゃん(出産編) 2003.12.15 update

スペインは、無痛分娩を選ぶ人が約8割になるそうです。出産の不安がない、落ち着いていられる、体力の消耗が少ないため産後の肥立ちが良い、などの長所がありますが、麻酔のリスクがあることを認めるサインをさせられます。わたしは最初から無痛分娩と決めていたおかげか、出産に対する恐怖は全くありませんでした。破水から始まったので、自宅の車で救急用の受付から入りました。もっと緊迫感があるものかと思っていましたが、「日本人って名字がひとつしかないの?(スペイン人は父方と母方を併せて2つの名字を持つ)」などという世間話をしながら、案内してくれた看護婦さんと一緒に産婦人科病棟へ歩いていきました。立ち会い出産は一般的です。

子宮口が4センチほど開くまでは普通に陣痛に耐えなければなりませんが、麻酔をした後は、出産して、会陰切開の傷を縫われるときまで全く痛みはありませんでした。出産のときは、何かが充実してくるような、いきみたい感覚がありますし、助産婦さんがモニターに出る陣痛の波を見ながら指導してくれます。分娩室に入って3回ほどいきんだら生まれてきたので、安産だったなぁと話したら、無痛分娩を選んだ複数の友人も同じようなことを言っていました。

生まれてすぐ、へその緒を切って体をきれいにしてもらった赤ちゃんを胸に置いてもらってご対面。「なるべく早く抱っこしたい」ということと、「へその緒が欲しい」ということを何度もお願いしていたのですが、出産直後に母子のスキンシップをとるのはスペインでは普通のことで、へその緒は、生後一週間ほどで乾いてとれるところを大切に保存するものだったのですね。わざわざ切り取ってもらったので、我が家にはながーいへその緒があるのですが、スペインではへその緒を保存する習慣がないので、「幸運のお守り?」などといろんな人に質問されました。

後産が終わり、処置が済むと、母子一緒に病室へ戻ります。麻酔が切れた頃に助産婦さんによる検診があり、問題なければ食事。思わずげんなりしてしまったのが、初めての食事が「コシード」だったこと。これは、スペイン内陸部の郷土料理なのですが、豚骨スープで豆や肉をこってり煮たものなのです。確かに栄養はつきそうですが、このときばかりは白いご飯と焼き魚くらいが食べたかったですね。バレンシア在住の友人が出産したときに出てきたのは、やはり郷土料理のパエリアだったそうです。

シャワーは当日からOK。食事の片づけをはじめ、積極的に動くように指導されました。動くことで、体の回復が早くなるのだそうです。最初から母子同室なので赤ちゃんの世話もすぐに始めます。最初の夜は、出産の疲れをとるため、助産婦さんが赤ちゃんを別室に連れて行ってくれますが、翌日からはずっと一緒。3時間に一回は授乳しますし、泣けばおむつを見たり、抱っこしたりなので、特に消灯時間などはありませんでした。面会時間は3時から5時となっているものの、1時半を過ぎるとがやがやとたくさんの人であふれかえっていました。一人程度なら、宿泊も大目に見られているようで、イスに寝る付き添いの人もいました。

わたしの部屋は3人部屋でしたが、黄疸をとるために日光浴が勧められるので、ベッドのまわりにあるカーテンは日中ずっと開けっ放しでした。部屋に一台テレビがあって、コインを入れた分だけ映るようになっていました。テレホンカード式の電話は各ベッドにありましたが、携帯電話を使っている人がほとんどでした。

入院期間は、普通分娩の場合、問題なければ3泊4日。帝王切開の人は7泊8日程度になるそうです。

画像:小児科の張り紙。退院後、7日めに検診があり、その後は一ヶ月ごとに定期検診があります。


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