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スペイン人には一年に二回のお誕生日があるとされています。ひとつは自分が生まれた日。もうひとつは自分の名前と同じ聖人の誕生日。最近は外国人風の名前をつけるのが流行っているので聖人の名前ではない人も増えていますが、その場合は、全聖人の日(11月1日)が代わりになります。
小さいうちは、主役の親がパーティを企画し、友人を招いてお誕生日を祝います。近所の公園で野外パーティの場合もありますし、騒いでも大丈夫なファーストフード店もお気軽で人気のようです。もちろん、家庭でこじんまりとお祝いする人もいるでしょう。招待された側は主役が気に入りそうなプレゼントを持ってパーティに行きます。ここまでは日本と似ていますよね。
ちょっと違ってくるのが大人になってから。大人になっても自分の誕生日は大いに祝います。ただし、誰かにパーティを企画してもらうのを待つのではなく、自分で会場や食事を準備し、友だちを招待するのが一般的。そこまで大がかりなことはしなくても、「今日は、ボクの誕生日だからおごるよ」とバル(BAR)でワインをおごったり、職場に自分でケーキを買って持っていけば、周りの人から祝福のキスの嵐が待っています。年の数だけ耳をひっぱるんだ!とぎゅーぎゅーやる人もでてきます。
お祝いを請求しているようで、何となく自分から「今日は誕生日!」と(特に職場などでは)言い出しにくい日本と違って、「ほら!ケーキを食べようよ。何故かって?今日はボクの誕生日なんだ」と自分で自分をお祝いしてしまう明るいやり方はとても楽しいものです。聖人の名前を持つ人は、「今日は、わたしのサント(聖人の誕生日)だから」と言って、自分の誕生日と同様、周りの人におごることもあります。
もっと年を重ねて年金生活をしているような人も、家族や親戚が集まってきてお誕生パーティを開きます。いつもの週末も同じように家族が集まり、おしゃべりしながら長い時間をかけて食事をすることが普通なスペインですから、両親のお誕生日には大集合!ということになるわけです。もうこの時期には、どちらがどちらを招待して、ということはあまり問題になりません。お料理上手なお母さん本人が誕生日なら、腕をふるった手料理でもてなすでしょうし、老人ホームに出かけてトランプをするのが日課になっているようなお父さんが誕生日なら周りが段取りするでしょう。
そうそう、わたしが招待された中で印象的だった誕生パーティは、本人には内緒のびっくりパーティ。それは当時、本人は自分の誕生日を忘れるほど公私ともに忙しかったので、恋人が彼女に内緒で一切を企画したパーティでした。一ヶ月も前に彼から電話があり、「びっくりパーティだからね。内緒だからね。」と楽しげでした。招待された友人たちにはそれぞれ、飲み物担当、食べ物担当、デザート担当、、、と役割が分担され、当日はまず一番近所の友人が訪ねてきて、それをきっかけに職場の友人、遠くからの友人がどんどん現れる、という筋書きまでありました。
驚く彼女の顔をわくわく思い浮かべながら、わたしも参加したのですが、ほんの少し到着が早すぎた(というより、最初に行くはずだった近所の友人の訪問が予定より遅れていた)ために、「なぜ、連絡もなしにNorieが突然家に遠くから来るの?」というわけで、本人にびっくりパーティの企画がバレちゃった、というオチをつけてしまいました。
重要なのは「みんながお誕生日を大切にする」ということ。イギリス在住の友人から聞いた話ですが、スペイン人の友だちに誕生パーティに招待されて行ったところ、ひっきりなしに家族や友人からおめでとうコールがかかってきて、肝心の本人とゆっくり話をする暇がなかったそうです。この世の中に生まれてきた日を大げさなくらいみんなで祝う、わたしはこの習慣が大好きです。
画像上:村の中には外観は古くても立派な地下室がある家が多く、そこでパーティが開かれることも。
画像下:家の中ではあきたらず、暖かい季節にはテラスで飲み物を片手にいつまでもおしゃべりが続きます。
【短信】各地で葡萄の収穫が行われています。猛暑の影響で収穫高は減ったものの、糖度は十分なようで、ワインの当たり年になりそうです。(9/26)
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