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スペインで生活していると、国や自治体が文化事業に力を入れているな、ということをよく感じます。例えば、日曜日の美術館入場料は無料であったり、無料のクラシックコンサートが開催されたり。ツーリスト・インフォメーションに行くと、毎月のイベントプログラムがもらえる充実ぶりです。
国際ジャズフェスティバル、国際映画祭、国際大道芸人フェスティバル、、、などなど大規模なものも各地で開催されていますが、わたしが住む人口6千人程度の村でも、毎月のように何らかのイベントが準備されています。エルミータと呼ばれる礼拝堂は、絵画や彫刻などの展示会場にもなっており、二週間に一度のペースで展示物が変わります。もちろんプロの作品がほとんどで、即売してくれることもあり、ちょっとしたギャラリー風になっています。
それから、毎年5月末には、アスパラガス祭りが2日間にわたって開催されます。当日は、メインストリートが歩行者天国になり、陶器や革製品など民芸品の販売、伝統的な楽器制作コーナー、アクセサリー作りコーナー、地元婦人会の作品展示場など、所狭しとテントが並びました。屋台も出て、アスパラガスの試食をする人、ビールやワインを飲みながら友だちとおしゃべりに花を咲かせる人、など大にぎわい。
サルサバンドのコンサートや、ブラスバンドのパレードなどもあり、村中どこでも盛り上がるのですが、なんと肝心なアスパラガス即売がありません。近郊の村や市内からも観光に来るので、その日の村の人口は倍にふくれあがるわけですから、おみやげ用だとかちょっとした好奇心だとかで、出せば売れるのは間違いないと思うのですが、不思議なところです。「アスパラガスなんて、どこの八百屋でも売ってるじゃない」と言われると、それはそうだな、と黙るしかないなのですが。
しかもメインイベントのはずのアスパラガス・コンクールの結果発表は、歩行者天国になった道路の一番すみっこでこっそり展示されているだけ。「アスパラガス」を理由に騒ぎたいだけなのかしらん?とちょっとだけ思っちゃいますね。まぁ楽しいから良いのですが。
6月6日から2週間は、国際彫刻祭が開催中です。フランス人、韓国人、日本人、スペイン人彫刻家が、公園で作品を公開制作しています。2年前にも同じようなイベントが開かれたので、そのときの作品が村のあちこちに展示されているんですよ。公園での制作の様子を、6月になって短縮授業になった子どもたちや年金生活をしているお年寄りなどが、たくさん見に来ています。
制作中に(スペイン語が通じようと通じまいと)しつこく話しかけてきたり、ましてや近寄って来る人も少なくないそうで、作業場所の周囲には工事現場のような柵が設けられ、安全が保たれるようになっています。制作場所は大きな公園なので、周囲では子どもがボール遊びをしていたり、犬の散歩をしていたり、テラス席でビールを飲んでいる人たちもいるわけです。「芸術」も「芸術家」も身近に感じられて良いと思うのですが、神経質に作品を作り上げるタイプのお祭り気分を楽しめない芸術家には迷惑な話かもしれませんね。
イベントの話とは少しずれますが、近所の小さい公園が荒れ気味だったところを、周囲の壁を白で統一し、その壁面に小学校低学年の子どもが大きな絵をペンキでせっせと描いていました。もちろん絵画の先生がデザイン、下書きをした上での作業ですが、子どもの顔が生き生きと輝いていたのが印象的でした。
このように、地元で日頃から気軽に「芸術」に触れる機会の多さや、大金を使ってテーマパークで遊ばなくても楽しめるあたり、スペインでの生活はわりと豊かかもしれないなぁと思います。
画像上:大道芸人フェスティバルに出ていたオーストラリアのグループ。高さ4メートルほどの棒の上で人形に仮装し、ゆらりゆらりダンス。
画像中:アスパラガス祭りで優勝したアスパラガス。
画像下:彫刻祭のウエルカムパーティ。誰でも参加自由。
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