■病院事情 2003.5.19 update

スペインの病院は、社会保険が適用される公立病院と民間保険しか適用されない私立病院に大別されます。公立病院では、社会保険を払っている人とその家族は、診察はもちろん入院、治療費まで全て無料です(薬代は3割が自己負担)。歯科に適用されるのは抜歯だけですが、妊娠・出産に関するものも全て無料で診てもらえます。

ただマドリッドをはじめ、大都市では公立病院のベッド数が足りなかったり、診察までに長い間待たされたりする問題があるため、わたしの友人の多くは、民間の保険に加入し、私立の病院に通っています。私立の病院もどこでも好きなところに行けるわけではなく、それぞれの保険によって契約している病院を指定されることになります。民間の保険は、各種定期検診や歯石掃除などがカバーされていて、全くの掛け捨てということもないようです。

わたしの場合は、今のところ持病もなく健康だということもあって、民間の保険には加入していません。社会保険は納めていますので、病気のときは公立病院にかかります。公立病院では、ホームドクターが決まっています。何かあったとき、まずは決まったホームドクターに診てもらうのです。わたしが住んでいる村の場合、幸い、患者もそれほど多くないので、熱があって気分が悪いと言えばその場で診てくれます。健康診断もやってくれますし、特に病気でなくても心配事があれば「相談」ということでホームドクターの診察を受けることができます。全て無料です。

ただ、村の病院にはレントゲン設備すらないので、大きな病気やケガをしたときは市内の病院まで行かなければなりません。これが難点といえば難点なのですが、公立病院の一般的かつ最大の問題は「診察はすべて予約制(緊急時を除く)」というところだと思います。

さきほど、熱があって気分が悪いと言えばその場で診てもらえると書きましたが、これはあくまでも患者の少ない村の病院での話。しかも急患扱いされた場合のみです。患者が我慢できそうであれば、風邪やインフルエンザなどは、なんと予約に行った2、3日後が診察日ということも普通なのです。外科手術に至っては数ヶ月の予約待ちなんてこともあるそうです。

実際、わたしの夫が肋骨を骨折したとき、レントゲンを撮るまでに1週間。その結果を持って診察してもらうまでにさらに1週間もかかりました。医者の説明によれば肋骨の骨折はこれといって治療することもできないので、発熱などがなければ、自然治癒にまかせるしかないそうなのですが、なんとなく早く診てもらえれば早く治るような気がしてあせりました。

また、わたし自身、先日とある血液検査の数値に問題があると指摘され、市内で一番大きな総合病院で精密検査を受けるように指示されたのですが、精密検査の予約日が1週間後。しかも、問題となった検査結果を総合病院の医者に見せると、「これ、正常値だよ」と一笑に付されてオシマイ、といったオチもつきました。「念のため、再検査しておこうか?」とさらに3週間後の予約をとらされたのですが、当日行ってみると、担当医に廊下で手招きされ、「やはり問題ないから気にしないでいいよ。心配だったでしょう?でも大丈夫。」と説明を受けてオシマイ。再検査は全くなしでした。

不妊治療も無料なのですが、予約をとるまでに半年かかり、卵管が通っているかどうかという基本的な検査を受けたのが申込から1年後だったという何とも気の長い話も聞いたことがあります。

検査漬け、薬漬けが決して良いとも思わないのですが、この待ち時間が心配で、民間の保険に入りたくなる気持ちもわかりますよね。まぁ、元気なうちは、せいぜい今後の健康管理に注意して、再び診察の予約を首を長くして待つことのないようにしようと思います。医者に頼るよりも、それが一番の健康維持法かもしれませんし。

画像上:村の病院玄関
画像下:社会保険カード(日本の保険証にあたります)

【短信】こちらは、夏のように暑かったり、また冬のように寒かったりと天気が変わりやすいのですが、晴れた週末にはピクニックやバーベキューをする家族連れ、友人グループが目立つようになってきました。(5/11)


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