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何度もスペイン旅行を繰り返したり、住みついてしまったりする人が、その理由のひとつに、この国の食文化の豊かさを挙げることが少なくありません。スペイン料理と言えば「パエリア!」と思い浮かぶくらいですから、お米も食べますし、海産物も豊富。内陸部でも高速道路が発達しているので、お刺身でも十分食べられるほどの新鮮な魚が普通に入手できます。
残念ながら日本には輸入が限定されているスペイン製生ハムは、ほんのり甘みがあり、高級なものはお口でとろける美味しさがやみつきになること請け合い。日本で見かける生ハムと言えばイタリア産ですが、あのフニャフニャとは全く別物!と言って良いと思うのですが、贔屓目もあるかもしれないのでこのへんで止めておきます。子豚の丸焼き、子羊の串焼き、子牛のステーキ、と、まだお母さんのおっぱいしか飲んでいない柔らかい肉類も極上です。特に子羊は、羊独特の臭みがなく、それでいて肉そのものの味わいがあるので、塩味で炭火焼きにしただけなのに感動的な美味しさです。
メルカドと呼ばれる市場には、色とりどりの季節の野菜、見たこともないような大きな魚。内臓、羊、鳥などの専門店も並びます。慣れないうちは、目を奪われるばかりで何をどこでどうやって買って良いものやら、と途方に暮れるほどです。メルカドだけでなく、対面販売式のところでは、お店の端にある番号が書いてある紙をとって順番を待つところがよくあります。ただ番号が機能していないことも多々あるので、普通は「どなたが最後ですか?」と周りの人に聞きます。「わたしが最後よ。だからアナタはわたしの次。」と教えてくれるので、その人の顔をよーく覚えておいて順番を待つわけです。
お店の中は社交場も兼ねているので、ずらっと長い列ができいるにも関わらず、お店の人とお客さんの間で「娘のケガは良くなったかい?」なんて世間話が延々と続くこともありますが、まぁ、これはすぐに慣れます。待つことはスペイン生活の一部なのです。順番が来ると、欲しいものを頼むわけですが、日本と違って「リンゴを3つ」というような頼み方はせず、「トマトを1キロ」とか「イワシを半キロ」という風に重さで注文します。値段はキロ単位で出ているので、お店の人もお客さんもその方がわかりやすいからです。
話は戻って、豊富な食材。特に感心するのは、「全部売ってる」ということです。若鶏やウサギ、赤ちゃん羊、赤ちゃんブタが丸ごと売られていることすら最初は驚くのですが、内臓や豚足だけではなく、鶏ガラ、生ハムの骨、羊の頭、ブタの顔や耳などなど、ありとあらゆる部位が普通に売られてます。魚屋には、アンコウの骨やサメも売っています。豊富で新鮮な食材を使って料理するので、ちょっと上手な人なら、それはそれは美味しい食事ができあがります。ただ、これが毎日続くとなると、スーパーにお総菜や半加工品、インスタント食品、お弁当が並んでいる生活を知っているわたしにはちょっと大変。だって、買い物に時間がかかる上に、全部はじめから料理しなくちゃいけないのですから…。
「日本人は働くために食べるけど、スペイン人は食べるために働く」というのは、よく使われる表現ですが、パーティシーズンが過ぎた今、体重計に乗るのが普段に増して怖くなっています。日本の宴会と違って、無理にお酒を勧めることはありませんが、食事に関しては「食べろ。食べろ。もっと食べろ」とうるさいくらい。本当にお腹がいっぱいで食べられないのに「太ってる方がモテルんだ!」などと、あの手この手で勧めてきます。ストレスとはあまり縁がない生活なのですが、気を付けないと成人病をかかえこむ日が遠くないかも。(苦笑)
画像上:朝市の野菜屋。
画像中:朝市のお菓子屋。
画像下:クリスマスに食べた天然物の鯛。
【短信】今冬は昨年に比べて暖冬だったのですが、今週末は寒波が来るそうで冷え込んでいます(1/9)。
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