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10月の半ばから、上海はずいぶん肌寒くなりました。私の住んでいるマンションでは、敷地内に植えられている木や草花への冬支度が始まっています。私も一階に住んでいて庭があるので、秋播きの花や野菜の種を播いたり、枯れた草や葉っぱを掃除したり、10月中は何かと忙しく過ごしました。
少し前まではなかなか手に入らなかった花の種が、最近ではスーパーマーケットやホームセンターで買うことができるようになってきたのです。鉢植えや切花は、上海なら今ではどこででもすぐに買えるようになりました。でも、実はそれはまだここ最近のことです。10年くらい前は切花を探すのも簡単ではありませんでしたし、あっても花の種類は極端に少なかったのです。花の種にいたっては、個人的に育てて楽しむのはほとんど無理だったと思います。
この数年、花屋さんがずいぶん増えました。フラワーアレンジメントができる人も増え、オフィス街にはとてもおしゃれなお店もあります。花の種類もとても多く、たまに見に行くと目移りするくらいです。街の中に行かなくても、私の住むマンションの前には、自転車の両側に花の入ったバケツを積んで売り歩く花屋さんやリヤカーで大きな観葉植物の鉢を売る人がいますし、食品市場の中の花屋さん、スーパーマーケットのコーナーなどで花や鉢植えを買うことができます。
少し前までは、鉢植えといえば盆栽やラン、もしくは役に立つアロエやサボテンの類が圧倒的に多く、ポトスやアイビーなどといった観葉植物はほとんど見られませんでした。切花はガーベラか菊かバラで、カスミソウでも置いていれば上等だったのです。それが今では、家の中だけではなくベランダに花をきれいに飾る人や庭をきちんと設計して整える人も増え、それに伴って花屋さんだけでなく庭師や、ガーデニング用品を扱う店なども多くなってきています。これはやはり人々の生活に余裕ができてきたことに由来するのではないかと思います。
この間、偶然見かけた広告で、うちの近くにガーデニング用品専門店があることを知り行ってみました。そこは大型ショッピングセンターの一部に入っているのですが、屋上にはその店で設計した庭園がありました。それほど大きなスペースではなかったのですが、「イングリッシュガーデン」、「日本庭園風」、「ヨーロッパ風」などのコーナーに分けて作られており、自分の庭を作るうえでの参考になるようになっていました。頼めば独自にデザインもしてくれます。また、既成のセットで小さなベランダを庭風にアレンジすることもできるようにもなっていました。
店の中には、園芸用の土やプランターなどのガーデニング用品のほかに、庭に置く椅子やテーブルのセット、アクセントになるオーナメント、屋外灯、木のブランコ、池用の小さな噴水、大きな彫刻などまでありました。マンションの多い中国ですが、三階建ての一戸住宅もあり、かなり広い庭を所有する人もいるのです。広くはなくても、うちのようにマンションの一階で庭のあるおうちもあれば、逆に最上階のバルコニーがとても広くて庭代わりにできる場合もあります。いまだに住宅の建設ラッシュにある上海では、ガーデニング業界の伸びる余地はまだまだあるのかもしれません。
ただ、私が不満なのは、日本のホームセンターほど植物の苗が充実していないことと、ほしいときに探し回らなければ手に入らないものもまだ多いということです。でも、これまでの広がりのスピードを考えると、これはそう遠くない未来に解消されるかもしれません。
上海の花市場といえば、以前「ワールドバザール21」で精文花卉取引市場が取り上げられたことがあるようですが、ここは2005年の夏ごろ閉鎖されました。市内の中心部にあるため、大きなビルに変わる予定でいま建設中です。この花市場に入っていたお店の一部は、向かい側に規模を縮小してできている永嘉花市や少し郊外にできた曹安花市に移っているようです。
画像上右:ホームセンター屋上の庭。緑がたくさんで、屋上であることを忘れそうです。
画像上左、下右:精文花卉取引市場があった場所の向かいに造られた永嘉花市。内部はブースのようになっています。
画像下左:スーパーで見つけた「花の缶詰」。発芽率は、残念ながらあまりよくありません。
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