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中国では9月から新学期です。ですので、高校や大学の受験は6月にあります。今年も、6月のはじめにまず大学受験、そして中旬に高校の試験が、それぞれ実施されました。この時期は、工事現場の音さえ控えられ、家庭では「受験用お手伝いさん」を雇うところもあります。このお手伝いさんは、共働きの両親に代わって受験生の一切の身の回りの世話をし、栄養を考えた食事を提供するのが仕事です。人によってはちょっとした家庭教師の役割を担うこともあり、家事の出来だけではなく学歴のある人が大人気だったそうです。
そして試験当日は、うちから学校まで滞りなくいけるよう、何週間も前からタクシーが予約され、市内のタクシー会社では「受験生用」に確保した台数すべてがさばけたといいます。
中国の受験といえばはるか昔の「科挙」が有名ですが、今でも大学受験はそれに匹敵するくらいの重みを持っているように私は感じます。そのくらい大事な大学受験のために、中国の子供たちはそれこそ幼稚園から勉強させられます。少しでもいい老舗の小学校へ入り、いい中学校へ上がり、高校受験でまた名門へ入り大学に備える、という道筋を、都市部の、ある程度生活に余裕のあるおうちなら半数以上の保護者が望んでいるのではないでしょうか。
しかし、一時期あまりに行き過ぎた勉強を見直そうという動きが上海の教育委員会の中に生まれ、2年ほど前から公立学校に限っては、昼休みや土日、夏休みや冬休みなどの補習が禁止になりました。また先日は「小学校1年生、2年生の家庭での宿題を禁止する」というお達しも出たようです。学校やクラスによっては、1年生のうちから帰宅後3時間かかっても終わらない宿題が出されることもあります。そのほかにも子供たちには、ピアノやバイオリン、囲碁、英語、作文、絵画、お習字などの習い事もあり、1週間が7日間では足りないくらいの子もいます。
学校の勉強が少し楽になるのは、親にとっても実のところありがたいのですが、この余裕の時間に習い事のほうが激化するのではないかと、日本の受験戦争を見てきた私には少々心配でもあります。実際、有名中学校に上がるには学校の成績の良し悪しだけでなく、どのくらい課外でいい成績を収めたかが必要になるという保護者もいます。たとえば英語の口頭試験○級とか、オリンピック数学の成績がどうかなどです。
学校が夏休みに入る前のこの時期には、下校時のお迎えのときに(こちらでは多くの家庭で子供の送り迎えをします)あちこちの塾から案内が配られます。英語塾はネイティブスピーカーを招いて、国語は作文に重点を、数学は難しい応用問題を中心にといったふうに、学校で習う以上のことを教えるようです。
子供にはのびのび遊ばせたい私ですが、勉強や周りの環境との兼ね合いを考えると、あまり野放しにもしていられません。夏休み中遊びまわってしまうのもどうかと思うので、息子には英語塾へ行かせることにしました。せっかくなので...というか今なら次の学期の学費が旧料金で、夏休み後は値上がりするというので、新学期からの週に1回の普通クラスにも申し込んだら、1年でほとんど1万元(約15万円)かかりびっくりしました。
私立の小学校へ通いながらこの塾へ来ているお子さんも多く、いったい教育費は大学まででいくらかかるのだろうと気が遠くなる思いです。日本でも教育費の増加が著しいといわれた時期がありましたが、ここ上海では今がまさにその時期にあたるようです。学校の授業が厳しすぎるのも大変ですが、時間ができても結局は子供にとっては同じことなのでしょう。それがどういう結果をもたらすのか、専門家の方々は、日本や韓国の今をよく考察してみてほしいと思うのです。
画像上:新聞に掲載された2007年の「大学の試験問題(一)」。「高考」というのは「高等学校へ入るための試験」ということですが、中国ではこれは大学(単科大学、総合大学、高等専門学校)を指します。日本の中学校と高校に当たるものはまとめて「中学」と呼ばれ、中学を「初中」、高校を「高中」と分けています。高校受験は「中考」といいます。
画像中:新聞に掲載された「大学の試験問題(二)(三)」
画像下:英語塾の案内。イギリス式英語のところも、アメリカ式英語のところもあります。
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