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みなさん、こんにちは。この原稿を書いている5月の最終週、上海は早くも梅雨のようなうっとうしいお天気が続いています。中国の気象局の予報では、今年は長江流域で河川の氾濫がいつもよりも多くなるかもしれないといわれており少し心配です。上海では、河川の氾濫がなくても、短時間でも大雨が降っただけで市の中心部やその周辺地区はすぐに浸水してしまいます。表向きは近代都市ですが、排水設備が不十分だったり、いまだに戦前からの古い下水道を使用していたりすることが原因のようです。
また、上海の郊外やその隣の江蘇省、浙江省には、古くから水郷として栄えてきた街があり、水とともに生活している人が今もたくさん住んでいます。洪水や浸水となれば、人々の生活だけでなく観光資源としての街全体のダメージにもつながります。異常気象といわれて久しいですが、どうか平穏に雨季が過ぎてほしいと思うこのごろです。
さて、その水郷のうち上海市から一番最寄りなのは、市中心部から西に約50kmのところにある朱家角(チュージャージャオ)です。朱家角の町の起こりは1,700年前にさかのぼることができるそうですが、今残されている町並みは、500年ほど前の明から清の時代に作られたもので、ほぼ当時そのままの形で残る数少ない水郷のひとつです。
1991年には上海市政府から四大文化鎮(町)に指定されました。「上海のベニス」とも言われる朱家角は運河が張り巡らされ、その上にたくさんの石橋が架けられています。建物の多くは今でも普通に使われていて、そこに住んでいる人たちも「それが当然」という感じなのです。文化財保護の観点から大事に特別扱いすることも必要ですが、中国では多くの建造物の文化財が今も活躍していて、歴史の中に「人」が生きていると感じます。
ここは、できれば観光客の少ない時期にゆっくりのんびりと散策するのがお勧めです。見どころは、清の時代の「大清朱家角郵便局」、1571年に造られた「放生橋」という石橋、農耕器具などを展示する「稲米郷情館」、庭園式建築を誇る「課植園」などです。放生橋では、小さな魚や亀などを売っていて、この橋の上から逃がしてやると功徳が積めるといわれますが、そのための生き物を捕まえることを生業にしている人たちはどうなるのか疑問ですね。
朱家角の名物はちまきと扎肉(ザーロウ)という豚肉の醤油煮です。あちこちで売っているので、ひとつ買って歩きながら食べることもできます。ちまきの中身は扎肉や栗などで、これがなかなかおいしいのです。川魚料理を食べさせてくれるレストランもありますが、残念ながらここの風景とは裏腹に水の汚染がひどいため、個人的にはあまりお勧めしません。お土産には麦芽糖や扎肉の真空パックが便利かと思います。
朱家角へは、上海八万人体育場(スタジアム)の一角にある「旅游集散中心(センター)」から旅游4号というバスが出ています。前もって切符を買ったり予約したりする必要はなく、集散センターに行って行き先の表示されたドアの前に並べばいいだけなので便利です。近いので宿泊の必要のない朱家角、皆さんもぜひ一度いらっしゃってください。
画像上・中:水郷らしい落ち着いた佇まいです。
画像下:人々が生活しています。お布団と一緒に鶏肉も干されています。
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