■花火と爆竹 2007.3.20 update

中国のお正月(春節=今年は2月18日)も明けました。この時期に「新年」が来ることはあまりなく、だいたいは新暦の新年気分が覚めやらない1月半ばから2月はじめまでに春節を迎えることが多いのです。今年は特に暖冬だったこともあり、すっかり春の陽気となった中でお正月を迎えました。

今回のお正月期間、特に印象的だったのは花火と爆竹です。昔からお祭りごとのあるときには花火をあげたり爆竹を鳴らしたりするのですが、どうも今年はその規模が尋常でないような気がしました。それはたぶん、今年が60年に一度しか訪れない「丁亥」で、さらに陰陽五行の暦によると600年に一度という「黄金の豚年」ということで、それにあやかってお金持ちになりたい人が多かったからかもしれません。特に正月5日は、財の神様が降りてこられる日ということで、その日に当たる2月22日に日付が変わった瞬間からあちこちで花火や爆竹が鳴り出しました。「神様、うちへおいでください」という目印のためなので、家や会社の前や近くであげるのです。その数はもう数え切れません。中国の人々は特に「財」に対しての執着があるように思います。そのため、今年は特にその願いの強さが花火に現れたのでしょう。

尋常でなかったのは、花火のあがった数だけではありません。花火や爆竹自体も、今年は強かったような気がします。爆竹は、昔は竹竿の先にぶら下げてぱちぱち弾けるのを間近で見られる程度でしたが、今のは地面に直接赤い帯のように置いて導火線に火をつけます。短いものなら500発、多いものだと1万発から2万発というのもあるようですが、その音と弾け方は怖くなるくらいです。マンションでもお構いなしにするので、駐車してある車に当たって丸いへこみができることもあります。私の車もやられました。春節明けには、ボディーに小さな丸いへこみのある車がよく見られたほどです。

また、もう一つ別の爆竹があって、これは直径5センチ、高さ20センチくらいの円柱で、火をつけると「ポンッ!」と音を立てて7〜8メートルの高さまで飛び上がり、上空で「バーン!!」と弾けるものです。景気よく飛び上がって弾けるほど縁起がいいといわれます。その威力も昔とは比べ物にならず、弾け方が爆弾のように勢いがあるのです。私の住んでいる団地では、高く飛ばずに横っ飛びしたこの爆竹が車のガラスを割った事故がありました。また、あちこちで、高層階の窓ガラスを割ったり、家の中に飛び込んで火事になったり、人に当たって死者を出したりしてニュースでも取り上げられています。

花火もまた、日本では考えられない大きさです。団地の敷地内で、個人が、日本だと夏の花火大会で見るような大きな花火をあげてしまうのです。日本では、大型の打ち上げ花火を「煙火」といいますが、中国語では花火を「花火(フオフア)」とは言わずそのまま「煙火(イェンフオ)」といい、小さい手持ち花火は一般的ではありません。玉状ではありませんが、灯油缶くらいの大きさの打ち上げ花火が、専門店では普通に買えます。そしてそれを家の前であげるのです!! きれいですが、やはり家の横であげられると怖いです。

春節休みのあいだ、夜になると「ドーン!」「バチバチバチ!!」と、あちこちで花火や爆竹の音が響き渡りました。その音は爆弾や機関銃のようでした。花火だと分かっているから、わざわざ窓を開けて眺めたり、「うるさいなぁ」と眉をしかめたりできますが、これが本当に爆弾や機関銃だったら生きた心地もしないことでしょう。こうして私たちが花火の音を聴いているこの瞬間に爆弾で命を落とす人もいるのだということを思うと、屈託なく平和に生かしてもらっていることに感謝せずにはいられない春節でした。

画像上:昔はこの程度の「仕掛け花火」がほとんどでした(2004年1月)
画像中:団地のうちの窓から見た花火。向かいの棟の裏側から上げられています。6階の人は怖いでしょうね。
画像下:各地のお祭り風景を伝える中央電視台のニュース。


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