■日本にいるように生活する 2006.12.13 update

上海も11月の後半に入ってから急に冷え込んできました。寒くなってきてお世話になるのは、病院であったり、肩が凝りやすくなるのでマッサージ屋さんであったり、はたまたコタツやホットカーペットであったり、ぐいっと一杯飲みたい日本酒であったり、温かいおでんであったりします。

海外に来て思うのは、なぜか夏よりも冬のほうが日本のものが欲しくなるということです。思い出すと、どうしても手に入れたくなることも多いものです。日本人の多い上海は、そういった希望が比較的容易にかなう珍しい都市でもあります。

上海市内に住む日本人は数万人になるといい、特に日本人が集中して居住している地域もあります。その辺りでは、日本食材のお店があり、リサイクルショップがあり、日本のおもちゃを中心に扱うお店があり、日系の不動産屋さんがあり...と、いたるところで日本語や日本のものを目にすることができるのです。

また日系の総合クリニックや歯科、美容整形でも日本語による診療を受けることができますし、マッサージ屋さんも、外国人が多く訪れるところでは、マッサージ師の人が片言の日本語を話せることもあります。コタツやホットカーペットも、中国の人はまず使いませんが、日本人御用達のお店で購入することも可能です。熱燗やおでんなら日本料理屋さんがふんだんにありますので、気に入った銘柄や味が探せるのではないでしょうか。

そのような情報は、日本語のフリーペーパーで得ることができます。少し前までは2、3種類だったフリーペーパーですが、今はかなりいろいろなものが出ています。週刊のもの、隔週のもの、月刊のものなどさまざまです。内容は、ビジネス情報から生活情報、お店情報、日本や中国のニュース、中国に関するミニ知識、学校・会社や商品の広告、求人広告、伝言板など盛りだくさんです。

主に日本料理屋さんや日本の物を扱うお店、語学学校、ホテルなどにおいてあり、自由に持ち帰ることができます。以前は早く行かないとあっという間になくなってしまっていましたが、最近では数にも余裕があるのか発行日を少し過ぎても手にすることができるものも多くなりました。

広告を見ているといろいろなものがあることが分かります。中国語や英語の語学学校や、中華料理、民族楽器、書道など中国文化を学ぶカルチャーセンターでは、日本語で授業が受けられるところもたくさんあるようです。日本人スタイリスト常駐の美容院もずいぶん増えました。

最近の広告では、お正月向けの門松販売、衛星放送アンテナ、ビザ手続き代行や格安航空券を取り扱う旅行社、弁護士事務所、日本語パソコン修理専門、日本語ガイド、家庭教師、日本の進学塾、年賀状印刷、日本企業向けオフィス機器レンタル、日本向けの少量荷物の輸送サービス、免許証書き換えサービス、ロードサービス、内装工事請負、エアコン洗浄など、本当にさまざまなサービスが見られます。「お給料前の数日間、お金を貸します」という広告もありました。

ほかにも、「19XX年生まれサークル」、県人会、大学の同窓サークル、スポーツや趣味の愛好会、ボランティアサークルなど日本人の集まりもあり、単身赴任で上海に住む人でも、子どもを持つママさんでも、楽しいことを探したい若い方でも、仕事や家庭以外で日本人と日本語で交流したいと思えばいつでも出会えます。

そんなわけで、上海では日本語だけで生活しようと思えば、場所と金銭的なことを考慮すれば、それが可能になるのです。その逆で、日本語から離れて生活したければ、海外に住んでいるのですからもちろんそれは可能なわけで、適度につかず離れず暮らしていくこともできます。

かつて重慶に住んでいたとき、久しぶりに上海へ帰ってきたらあまりに日本語があふれていて変な気分でした。息子も日本語を聞くたびに振り向いて、「上海は日本語が多いねぇ」という感想を漏らしていました。確かに、ほかのところとは全く違う環境であると思います。これもむかし多くの人をひきつけた「魔都上海」の名残なのでしょうか。

画像上・画像下:上海のフリーペーパー。姉妹誌を刊行している会社も多く、北京や大連や広州のほか、上海に近い江蘇省蘇州市などでも配布されているものもあります


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