| 上海は、今年は9月になってから順調に秋らしくなりました。少々暑さは戻ったものの、例年のように10月まで半袖が手放せないというようなことはなく、すごしやすい日が続きました。この原稿を書いているのは、中国の大型連休である国慶節(10月1日)の前日です。明日から7日間のお休みとなるため、今日は午後にはもうすっかり街中がお祭りモードになってしまいました。
さて、今年の連休中には、もうひとつのイベント「中秋節(十五夜)」が重なっています。旧暦の8月15日で、今年は10月6日なのですが、以前の「各国いまどき報告」にも書いたように、中国の人たちはこの中秋節をとても大事にします。・・・といっても、月を愛でるのではなく、家族や親戚が集まって団欒で過ごす、昔からのイベントのような感じです。
その中秋節に付き物なのが「月餅(ユエビン)」です。蓮の実や小豆、アヒルの卵黄などの餡を詰めた焼き菓子で、ふだんはあまりお目にかかりませんが、この時期になるとどこででも手に入るお菓子です。自家用に買うよりは、お中元のように贈り、贈られすることのほうが多いかもしれません。ギフトボックスに入れられた月餅は1,000円くらいから数万円くらいするものまでさまざまです。中身よりも見栄えが重要視されているきらいもありますが、今でも、会社では社員に配るところが多く、またお客さんからいただいたり、差し上げたり、中秋節前のご挨拶に月餅は欠かせないものなのです。
一時は現物支給であることが普通だった月餅ですが、ここ数年は会社では「月餅券」を支給することが多くなりました。「月餅券」をもらった人は、そのチケットの出所であるお店に自分で出向き、月餅と引き換えるのです。
先日、夫の両親へ送るために月餅を買いに行ったのですが、チケットを持って引き換えに来ている人々で売り場はごった返していました。その中でどれにしようか商品を選んでいると、横から男の人が「この150元(約2,300円)の月餅なら120元で買えるけど、チケット買わないか?」と話しかけてきました。始めは何のことか分からず無視していたのですが、しばらくするとまた別の人が来て同じようなことを言うのです。このお店に来る道すがら、そういえばたくさん「収購月餅票(月餅チケット買います)」の看板を持った人たちがいました。その人たちが、私にチケットを買えといっていたのでした。
月餅はあちこちでもらうことが多く、また最近ではあまり食べない人もいます。でももらったチケットを無駄にするのはもったいない、少なくとも1,000円前後以上の価値があるものなのです。そこで新手の商売の登場です。人々がただでもらったチケットを安い値段で回収し、それを額面よりも少し安い値段で売るのです。月餅を買う人も、同じ商品なら安いほうがいいに決まっています。それでチケットを購入して月餅と引き換えるため、商売が成り立つのでした。
上海には、このようなチケット類を買ってくれる人がよく出没します。ちょっと前には、デパートで「当日500元お買い上げで100元の商品券をプレゼント」というイベントがあると、エスカレーターの脇におじさんが立っていて「レシート売らないか?」と話しかけてきました。500元に近い金額のレシートだと5元くらい、半額くらいだと1〜2元でレシートを買い集め、合わせて500元にして商品券と引き換える人です。そのときも感心しましたが、今回の月餅チケットにも呆れるやら驚くやら・・・でした。
ちなみに私はチケットで買えないものを購入したので、おじさんたちのお世話にはならなかったのでした。
画像上:頂き物の月餅。小さな月餅がご丁寧にひとつずつ缶に入っています。もったいない・・・
画像下:会社から支給されたチケット。大手のパン屋さんのもので、商品券形式だったので月餅以外の商品とも交換できます。こういうものがありがたいです。
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