|
上海は、まだ梅雨明けではないのに夏本番の暑さになってきました。教習に通う身には厳しい季節です。
前回、筆記試験についてお話しましたが、ちょうどその原稿が公開されたころ、私は初めての実技試験を受けました。一般に、こちらの教習課程は、「筆記」、「ジュアン(木偏に庄)考」、「小路考(シャオルーカオ)」、「大路考(ダールーカオ)」という4段階です。「ジュアン考」というのは、バックを主にした車庫入れおよび車庫間の移動の試験で、「小路考」は試験場の中の決められたコースで課題をこなす試験、「大路考」は路上試験です。
先日受けたのは「ジュアン考」で、そのために5月中はずっとバックの練習をしていました。これがなかなか難しく、日本だと教習でも最後のほうに習うような内容だそうです。動作は図を見ていただければ分かるかと思いますが、試験場には赤外線センサーがあって、車が線をはみ出すと失格です。当日2回まで受験できますが、それを失敗するとまたひと月ほど待たなくてはなりません。これは何とか一度で合格できてほっとしました。
次に受ける「小路考」も、まもなく受験の日になります。これもまたかなり難しいのです。私が行っている教習所の試験場は敷地が狭く、コースにカーブが多いので、とても初心者向きとは思えません。コースは、まず縦列駐車に始まり、クランク、100メートルで1速から5速に加速、そして3速まで減速する「百米変速」、時速20キロ以上で3つの門の間をすり抜ける「限速限寛門」、左右のタイヤを交互に障害物に乗せる「単辺橋」、ジグザグ路、8の字カーブ、坂道停止、坂道発進、S字カーブ・・・です。それらを9分以内に終えてもとの場所まで戻ってこなくてはなりません。
先日、教官の試験があったのですが、教官の多くも時間内で完璧に課題をこなして満点で終えられる人は少なかったくらいです。それを、運転し始めてまだ20時間に足りない初心者にさせるのですから、無謀というよりほかありません。ただ、これにはちゃんと「裏」があり、「いい教官」に当たると100%合格できるそうです。実際、同じ時期に教習を始めた男の子が先日試験を受けたのですが、緊張のあまりエンストして(こちらでは、オートマもありますが、ほとんどの人がマニュアル車の教習を受けます)、カーブも線を踏んで失敗してしまいました。それでも「裏門」をくぐって合格したそうです。
それが終わると路上に出ますが、これも形式だけで、最後の試験も教習所の周りをぐるりと回っておしまいだそうです。あとは実践で経験を積んでくれということのようです。すべての試験が終われば、10日後に免許証が交付されます。そして多くの人がそれを手にしてすぐに公道へと出てくるのです。
上海も車が多くなりすぎて、いろいろな規制を出して交通量をコントロールしようと試みられていますが、その一方で私をはじめ多くの人が教習を受け、ほとんどベルトコンベアー式に免許証と一緒に世に送り出されていることも事実です。「小路考」が難しいのも、本当は「技術の要求を高くして試験に落とすため」だったのかもしれませんが、実際は落ち続けることはありえないようですし、逆にこんな技術を習得してしまったら、道路で猛スピードで割り込みをかけてきたり、ジグザグ走行したりする輩があとを絶たず逆にたいへんなことになるかもしれません。
そうでなくても「道路交通法」などあってないような運転が多いのです。こんな高度な技術を求めるより、安全運転とはどういうものなのかをしっかり教えてほしいと思う、上海の教習です。公安でも取締りに躍起になっていますが、何はともあれ基本が大事だと私は思います。
私も、順調に行けば、この原稿が皆さんのお目に触れるころには路上の試験が終わって免許証の交付を待っているかもしれません。次の試験に失敗すれば、免許は8月までお預けです。
画像上:「ジュアン考」はこんな試験です。
画像中:「ジュアン考」の練習場。鉄の棒がいっぱいぶら下がっています。この間で練習します。
画像下:「小路考」(シャオルーカオ)の試験場案内。私もまもなくです!
|