|
運転免許については、予想していた通り、外国人ということでいろいろと不備や手違いがあり、順調に進んでいません。そこでストップしたまま中国もゴールデンウィーク(五一節)を迎えてしまいました。そういうわけで、先月のお話の続きは来月に持ち越します。ご了承ください。
さて、私が運転免許の勉強を始めたころから、全国的に交通ルールキャンペーンが実施されています。今まで道路交通法があるにもかかわらず、車も歩行者もあまりにも法律をないがしろにしていました。ここへ来て一斉取締りとモラルの徹底が実施されているわけです。道路を歩くこと、自転車に乗ることが多い上に、これから運転するかもしれない私にとっては歓迎すべきことです。
上海では、車だけでなく、歩行者の交通違反があとを絶ちません。上海は都会だから、田舎の人よりもましだろうと思っていましたが、なんのなんの、横断歩道と信号があっても、多くの人は「まったく信号があることを意識していない」状態なのです。車が来ていなければどんどん渡りますし、車がかなりのスピードで走っていてもその隙を見てするりするりと道を横切っていきます。違反よりもなによりも、「君たちは命が惜しくないのか?」と聞いてみたいくらい、赤信号をものともせず、人々は横断していくのでした。むかしむかし、日本でも「赤信号、みんなで渡れば怖くない」などというフレーズがはやりましたが、中国では一人でも堂々と渡っていきます。
今までは、見つかってとがめられても相当数の人が同じ行為をしていて、取り締まっている間にもみんなが違反をしているという状態で拘束性に欠けました。今回からは違反者には50元(約600円)の罰金が課されるようになり、また、テレビ局も動員して全市を挙げての活動になっているため、このひと月あまりでかなり効果が上がっているようです。どこでテレビカメラが見張っているか分からないことに加え、赤信号を渡るということが立派な法律違反であることが分かって、少しずつ人々の間にもルールを守る意識が芽生えてきたのでしょう。
このキャンペーンが始まった当初は、毎日テレビがいろいろな違反者を取り上げました。いちばん有名になったのはある女性です。彼女は赤信号で渡ったところを警察にとがめられました。そこにテレビカメラがあるのを見つけて逆上した彼女は「どうして私だけが払わなくちゃならないのよ」と、その場を去ろうとしました。それで腕をつかもうとした警官を突き飛ばし、結局は公務執行妨害で10日間の拘留になってしまったのでした。彼女の名前や経歴を誰かがネット上に流してしまい素性が知れたため、会社からも退職を勧められてしまったそうです。彼女は法律を学んだ人だったといいます。
「面子」を大事にする国民性だからでしょうか、素直に「ごめんなさい」といって罰金を払う人はほとんどいないようでした。「渡ってない」と言い張る人がとても多いのが、たぶん日本とは大きく違うところだと思います。テレビカメラが回っているのに「赤信号じゃなかった!」という人がいたり、記者が「どうして今赤信号を渡ったのですか」と問い詰めると「I can’t understand Chinese」と、明らかに中国大陸の人と分かるビジネスマンが英語で逃げようとしたり(その記者はすかさず英語で同じ質問をしていました)、「自分だけじゃない!」と警察にたてつく人がいたり、「お金を持っていない」と逃げようとして結局警察官に家までついてこられた人がいたり、見ていてあきれるやら面白いやら・・・・です。
人々を正しく啓蒙するのは本当に大変なのだということが、今回のキャンペーンでよく分かりました。都会である上海から変わっていかなければ、全国レベルでモラルを徹底するのはとても困難だと思います。でもこの上海を変えるのに、あとどのくらいの時間がかかるのか、私にはまだ分かりません。なぜなら、このキャンペーンが終わってしまったらきっとまた元通りになると思うからです。
画像上:淮海西路。交通量の多い市中心では、むやみに道を横切れないように歩道にガードが設けられているところが多くなります。
画像下:常熟路。車道と自転車道路が分けられない狭い道では、バイクや自転車も我が物顔で真ん中を通ります。
|