■漢方・体を養う冬 2006.1.16 update

明けましておめでとうございます。今年は、この数年になく厳しい寒さの冬になりましたが、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。この寒さでインフルエンザなどが大流行するという注意が出ていましたが、こちらでは今のところそれほどの流行はないようです。

中国の長江以南の人たちは、昔は暖房設備がなかったため、冬は着込むことで防寒対策していました。今でこそ、あちこちでエアコンが入りますが、家ではつけない人もいるくらいです。息子の幼稚園でも、子どもたちは登園時、毛糸の帽子をかぶり、マフラーをし、厚手のジャンパーを着せられて、ころころになって来ます。教室では、手袋、帽子、マフラーは取りますが、お昼寝以外はジャンパーも着たままです。そして、かなり頻繁に窓やドアを明けたり閉めたりしているようで、それで空気がこもらないせいか、感染力の強い風邪はあまりはやらないようです。学級閉鎖というのも聞いたことがありません。

一方、大人たちも、着るものにかけては子どもたちに負けていませんが、それだけでなく、特に冬の間の滋養を大事にしているようです。11月の終わりになると、上海の薬局や病院では「冬令膏方(ドンリンガオファン)」という、冬の間に飲んで体に力をつける漢方薬が処方されるようになります。普通、漢方のお医者さん(こちらでは「中医」といいます)にかかると、1週間から10日に一度診察に行って、そのときの体調に合ったお薬を出していただくのですが、この「膏方」は、治療を目的としたものでなく、冬の間に衰えがちになる「気」を養い力をつけるために一冬のあいだ飲み続けるものです。今では、一般的な体調や体質に見合った既成の膏方もあるようですが、普通は中医にかかり、自分だけの処方をしてもらうのです。

また、江南地方の人たちが好んで摂るのが「核桃拌芝麻」という、胡桃と黒胡麻をすりつぶした粉状の食べ物です。冬至から立春のあいだに食べるので、冬至が近くなる12月の中旬になると食品専門店などに行列ができます。お砂糖が入っていて甘いものと、無糖のものがあり、それぞれ好みで購入します。一冬分でだいたい1.0〜1.5kgくらいです。これを毎日スプーンに2、3杯分食べ続けるのです。胡桃はもともと栄養価が高く、また物忘れや老化防止にもいいと言います。黒胡麻も鉄分が豊富で栄養があるので滋養によいようです。何よりも、腸の活動をよくするので、お通じがよくなるとのことでした。

以前、知り合いが膏方を処方してもらったら、一年中体の調子がよかったと言っていたので、私も今年は処方してもらいました。膏方は、いろいろな漢方薬を煎じてどろっとした飴状にしたお薬です。一般的には、壷や缶などに詰めてもらいますが、このごろは勤め先などでも飲めるように一回分ずつ個別にパックしてくれます。それを涼しいところに置いておき、毎日二回、お湯でといて飲むのです。

胃腸が悪い人は、二週間くらい体調を整えるための漢方薬を服用してから膏方を飲み始めます。私は、お医者さんの判断でいきなり飲み始めましたが、体が慣れる前二日ほど、薬を飲んでしばらくすると猛烈なめまいがしました。漢方薬と聞くと、穏やかな効き目というイメージがありますが、飲みはじめに体が薬に急激に反応したり副作用があることもあるそうです。そういう時は、お医者さんに相談しつつ、薬の量を減らして慣らしていくといいそうで、私も一日一回の服用から始めました。大きな変化は見られませんが、持病ともいえる鼻炎がこのところかなり軽いので、もしかしたら膏方のおかげで元気になってきているのかなぁと期待しているところです。

ちなみに、気になる膏方の中身ですが、植物あり、動物の角あり、虫と思われるものもあり...でした。いちいち気にしていたら飲めません(笑)

画像上:左が「核桃拌胡麻」、右は、手前のパック詰め膏方が入っていた箱です。この箱ふたつで一冬分です。


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