■新学期 2005.9.19 update

毎日35℃を超えてふうふう言っていたのに、立秋が過ぎたころからぱっと暑さがましになりました。ここ数日、朝晩の最低気温が25℃を下回るようになり、寝苦しさからも解放されました。

さて、中国の年度は9月からで、9月1日から新学期が始まりました。以前は、幼稚園は夏休みがなかったのですが、最近は二週間ほど完全に休みを設けるところや、やむを得ず8月中通園する子どもも託児所のようにあずかるだけ、というところが多くなりました。小学校以上は、7月はじめの試験が終わると完全に全員が休みに入ります。ふだん勉強で遊ぶ時間のない小中学校の子どもたちは、この夏休みで羽を伸ばしたようです。

大学生は、最近は家庭教師や企業でのアルバイトをする人もいます。高校を卒業して、難関を突破して大学に合格した新入生は、8月の終わりに軍事訓練に参加しなくてはなりません。これは、ずっと以前から変わらず続いています。暑いさなかに炎天下での訓練ですので、一人っ子で大事に育てられた若者にはなかなか過酷で、昔よりも体力がなくて倒れてしまう学生も多いそうです。

そして迎える新学期ですが、多くの子どもたちがリュックサックやブックカバー、筆箱などを新調してもらい、また勉強一色の生活へと戻っていくのです。大学生の場合は、最近では携帯電話やノートブックパソコンを親から買ってもらう人が多いそうです。8月末に携帯電話の売り上げがとても好調だったのは、新学期を迎える学生たちが買い求めるからだとニュースでも報道されていました。

携帯電話は、いまや日本以上にさまざまなメーカーや機種が出ていますが、よく売れるのは、4000元(約54,000円)前後の、カメラやMP3といった機能がついた高いものというので驚きました。ちょうど10年ほど前、大学生で本物のウォークマン(カセットテープ用)を持っている人はクラスに3人くらいという状況だったのに、CDウォークマンが浸透するより早くパソコンやMP3の時代に飛んでしまっています。10年前は、まだCDはとても少なく、カセットテープが主流だったのです。そういうことを思い出すと、中国のこの10年の変化はすさまじいと思わずにはいられません。

でも、裕福な家庭が多くなってきていることは事実ですが、その反対にとても貧しい人たちが多いことも忘れてはなりません。重慶にいたときは、この時期、人通りの多い道で通行人から施しを受けようとする若い人がたくさんいました。大学の合格証書と身分証明書を掲げ、前になぜ物乞いをしているかの理由を書かれた紙を置いてうつむいて座っている人をよく見かけました。

その多くは、農家出身だったり、親が病気だったりで、せっかく合格した大学に学費を納めることができないという理由でした。全部が全部本当ということはなかったとは思いますが、それでも上海では見られない光景で、切なくなったことを思い出します。地方のテレビ番組でも、よく、こういった貧しい家の学生について取り上げ、ドキュメンタリーをしたり、スタジオに呼んで募金を呼びかけたりしていました。

あまり苦労を知らない都会の学生と、裕福には縁遠い境遇の学生が同じところで学び、生活を始める新学期です。大学に近い主要駅やバスターミナル付近には、各大学が新入生を迎えるためのカウンターを設け、寮生活のためにたくさんの荷物を抱えてやってきた新入生とその保護者を案内します。大型バスを待機させて、キャンパスまで学生を送っていくサービスもしているらしく、自宅の最寄り駅ではある大学の名前の書いたバスが数台止まっていました。地下鉄でも、たくさんの新入生やその家族を見ましたが、保護者の多くはとても誇らしそうに見え、学生は、ある人は嬉しそうに、またある人は不安そうにしているのが印象的でした。

画像上:名門・上海交通大学の校門
画像中:地下鉄駅に掛けられた「歓迎○○大学新入生」の横断幕。この脇に、案内係の座っているデスクがありました。
画像下:携帯電話のチラシ。高いものほどよく売れるそうです。


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