■医療事情 2005.7.18 update

ここ上海は、まだ梅雨の半ばだというのにほとんど雨が降らず、連日38℃前後です。暑くなるとクーラーの部屋にいることが多くなりますが、この時期、クーラー病で病院を訪れる人がとても多くなります。暑さで体調も崩しやすくなるので、体には気をつけたいものです。

それでも自力で治せないとなると、病院へ行かなければなりません。外国人がいちばん困ることのひとつです。現在、上海には数多くの外国人向け医療機関があります。日本人向けで日本人医師の常駐しているクリニックもあります。設備やサービスも日本的で安心できそうですが、診療費は高いそうです。主に駐在員やその家族など、きちんと海外用の医療保険に入っている人に利用しやすくなっています。

また、現地病院でも、一般診療とは別にスペースをとっているところもあります。一般に「外国人問診」といわれ、大きい病院に多いです。そこでは、だいたい主任レベルの先生に診てもらえますが、手術やいろいろな処置などは一般の人と同じ場所で受けることになります。診察費は、ローカルよりは割高になります。ただ、ここでは海外医療保険やクレジットカードなどによるキャッシュレスが可能な場合もあります。検査などは、一般の検査室でも優先してやってもらえるなどの特典があります。

さて、それでは普通の病院はというと、外国人にはなかなか足が向かないかもしれません。なぜなら、日本とはまったくシステムが違うからです。まず、病院につくと「掛号(グアハオ=受付)」をします。カルテやカードをもらい、受診科目の受付をしてもらいます。普通の医師で5〜6元、専家(チュエンジャー)という偉い先生に見てもらう場合には10-20元くらいです。そして行きたい科の部屋に行き、看護師にカルテを渡します。最近はきちんとしてきたので、看護師に渡せば順番に呼んでくれるところが多くなりましたが、少し前までは自分で医者の座っている机のところまで入って行き、ほかの人が診察を受けている横でじっと待たなければなりませんでした。プライバシーはありませんでした。

診察を受けて、もし血液検査や尿検査が必要ということになれば医師が検査用の紙をくれます。今度はそれを持って、また受付に戻って検査費用を払い、検査を受け、そこで結果をもらってからまた医師のところに戻ります。検査結果によっては、また別の検査が必要ということもあるでしょう。その場合はまた受付に走ってお金を払い検査を受けるのです。熱があってふらふらなときなど、とても一人でローカル病院へは行けません。現地の大人でも、病院にはたいてい誰かが付き添っています。子供が病気の場合などは、大人が二、三人付き添っていることが当たり前です。一人は子供を抱いて、残りの人は荷物持ち、もう一人がお金を払いに動く係など、中国の病院には人があふれています。

最悪の手術・入院となった場合も同様に先払いになります。長期治療が必要な場合は、だいたい一週間分くらいをデポジットとして入金しておきます。病院では、そこから手術費や入院費、薬代などを差し引いていき、足りなくなる直前にまた患者へデポジットを要求するというシステムです。急な病気のときでも、とにかくお金を払わないと治療をしてもらえないことが多いので、現金がなくても、現地の銀行のカードなどは必携です。

去年、夫が病気になり入院したのですが、そのときも同室の人が、先払いしておいたお金を使い果たしてしまったため、その日の点滴は家族がお金を持ってきてからにしますと看護師から言い渡されているのを見てしまいました。はじめはひどい話だと思ったのですが、この莫大な人口を抱えているところでは病院も必死なのだということがわかります。治療費を払えない人ばかりでなく、「払わない」人もいるので、もし後払いにしてしまったら、治療の後半戦でいなくなってしまう人があとを絶たないと思われます。

以上のような状況なので、症状が重いときに一人でローカル病院へ行くことは至難の業です。短期旅行の際はクレジットカードを携帯すれば、ほとんどが最低ラインの旅行保険がついているので、外国人用クリニックでも大丈夫です。アメリカのように医療費がべらぼうに高いということはありません。いずれにしても、どこにいても病気をしないのがいちばんですね。


画像上:ときどきお世話になる病院。ここは人民解放軍の病院です。お医者さんは軍医さんです。この建物は外来診療。
画像下:こちらは入院棟。日本のように横に長い建物は少なく、外来も高層ビルであるところが多いです。


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