■オリンピックの報道 2004.9.13 update

この夏は、サッカーアジアカップに始まり、続いてオリンピック・・・と、まさに暑い夏でした。寝不足が続いた方も多かったのではないでしょうか。サッカーについては、中国側のサポーターの騒ぎで緊迫した状況と伝えられ残念でした。私は帰国していたので日本で得られる情報だけで判断しなければならなかったのですが、実際に重慶で試合を見た方によると、試合中はともかく、街中で危険な目に遭うようなことはなかったそうです。厳戒態勢を敷いたことで却って一部の人の感情を逆なでしたのではないかという見方をしている方もありました。

日本での報道を見ていると、まるでほとんどすべての中国の人が日本に反感を持っているようでしたが、ネットのBBSなどではきわめて冷静に自国の態度について批評している若者も多く安心しました。そういった肯定的な面をもっと多く知らせてくれれば、個人個人の相手に対する感情もよくなり、ひいては日中両国の友好にも役に立つのになと私は思いました。

さて、オリンピックですが、日本の選手たちは今回大活躍でとてもすばらしい成績を残しましたね。日本にいたので彼らの奮闘振りを毎日見ることができました。でも、今回とても気になったのは、どのテレビ局も好成績を挙げそうな日本人選手を追っていて、競技全体やほかの国の選手についてはかなり無関心であったことです。どこのチャンネルを回しても日本の選手の活躍ばかりでした。夜中の生放送も、日本人選手の登場にあわせて番組が組まれていて、その前のほうの様子についてはダイジェストだけということも多かったように思います。

たまたま来日していた夫は、「日本は、ほかの国の選手の競技や演技を報道しないね」とびっくりしていました。昔は、こんな風ではなかったように思います。その競技ごとに時間をとってあり、各国の選手の活躍も見ることができました。テレビ局によっては、あまり知られていない競技などを放送していたこともあったように思います。今回は、どこを見ても内容に差がなく、報道の自由がありながら、かなりの偏りがあるように感じました。

逆に、報道の自由はまだ確保されていない中国ですが、オリンピックの報道に関しては幅広くて、私はこちらのほうが好きでした。閉会式を待つ間にも、中国人は出場していない、そして中国では理解されにくいであろうはずの乗馬の競技(馬が音楽に合わせてダンスしていました)を延々と放送していたり、自国のメダリストの活躍はもちろん、日本人が活躍した柔道についても、オリンピック終了後のハイライトでも取り上げていました。

また、世界のいろいろな選手のプロフィールなども結構詳しく紹介していたり、バラエティに富んでいたのです。実は私は、女子の体操などが好きで、できればもっといろんな国の人の演技を見たかったのですが、日本ではかなわず、中国に戻ってきてからハイライトで見ました。ほかにも、ヨット、クレー射撃、短距離走などの陸上競技などなど、あまり日本ではメジャーでなかった競技の様子を見ることもできました。そのどれもが、中国人選手が活躍したものだけではなかったのです。

日本でも、日本人の活躍以外見たくないという人が多いわけではないと思います。報道の仕方にもっと選択肢があれば、オリンピックはまた違った楽しみ方ができるのではないかなと思いました。次は2008年、北京です。そのころには、もしかするとテレビのシステムがずっと進化して、自分で見たい競技が選べたりする時代になっているかもしれませんね。

画像右上:雑誌『南方 人物周刊』では、「金メダリストの夢と痛み」という特集が組まれた。
画像左上:陸上競技が行われた、アテネのオリンピックスタジアム(画像提供:野田ゆり-ギリシャ篇-)
画像右下:金メダルを取った女子バレーボールチーム(中国中央電視台のオリンピックの回顧録から)
画像左下:馬術競技(画像提供:京子・DEKKER-オランダ篇-)

【短信】真夏の暑さも和らぎ、こちらでも秋の気配を感じるようになりました。(9/2)


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