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この原稿が皆様のお目に触れるときには、もう一ヶ月も前の話しになってしまっていますが、今年の6月22日は旧暦の5月5日で、すなわち「端午の節句」でした。中国でも「端午節(ドゥアン・ウー・ジエ)」といいます。
日本では端午の節句といえば「男の子の日」で、鯉のぼりや兜のお飾り、ちまき、菖蒲湯が思い浮かびます。こちらでは、男の子やこどもの日という意味合いはありませんが、ちまきは欠かせないものですし、菖蒲やヨモギの葉で沐浴したりする習慣もありますので、やはり似ています。
今年、私の住んでいるマンションでは、管理会社が厄除けとしてヨモギや菖蒲の葉を束ねたものを各家々のドアに貼ってくれました。街中でも、端午の節句の10日くらい前から同じような草の束を市場などで買って帰る人が目に付きました。
夫の会社では、あるホテルが作っているちまきと沐浴用薬草のセットを配ってくれましたので、うちはちまきを食べつつ薬草を煎じて、お風呂に入るときに入れてみました。ヨモギは皮膚を清潔にする働きがあるらしく、汗をかく季節にはあせも防止などにいいそうです。暑くなってくる時期をさっぱりと乗り切るための、昔の人の知恵なのかもしれません。
さて、その端午節ですが、いまでは中国の人でもその由来を知る人はあまりいないのではないかと思います。実際、はっきりと「これだ」というものはないらしく、いくつかの説があるそうです。
ひとつめは、古代に呉越族の人たちが祖先を祭る儀式であったという説。ふたつめは、春秋時代の名将が5月5日に悪者の手によって殺害されたのを追悼することから始まったという説。三つめは、越の時代のある国王が追放された後、3年後に国にもどり、5月5日に水軍を立ち上げ、それから10年の年月を経てついに雪辱を果たした記念日という説。そして最後は、戦国時代の詩人・屈原が始めたという説。今となってはどれが正しいのかは分かりません。
ちまきを食べることも、どうしてなのだか分かりません。ちまきは「粽子(ゾンズ)」といいます。日本のちまきは白い[ういろう]のようなものですが、粽子はもち米を葉っぱで三角錐の形に巻き、それを煮て食べます。味もいろいろで、中にアヒルの卵黄が入っているもの、豚肉の角煮が入っているもの、小豆や緑豆のもの、醤油味のものなどがあります。小豆のものでも、はじめから甘い味をつけるのではなく、食べるときにお砂糖をつけながら食べます。
由来も意味も分かりませんが、それでも端午節はしっかりと中国の人々のあいだに受け継がれています。節句を過ごすと、むかし日本は中国から本当にいろいろなことを学んだのだなと思います。長い年月が経って少しずつ形は変わってきても、やはり同じ文化が下地となっているのです。
画像上:粽子(ゾンズ)セット。きれいな化粧箱の中にかわいい籠があり、その中に5種類の粽子の真空パックと、素朴な落花生の飴と、沐浴用薬草の箱が入っていました。
画像下:マンションの管理会社がドアに貼ってくれた厄除けの草の束。菖蒲とヨモギでした。
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