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日本でも人気のある中華料理ですが、広い中国ですので地方地方で特色があります。一般に北の方は塩辛く、上海付近では甘い味付け、広東の方になると日本人好みの比較的あっさりとしたものになるようです。そして四川省など内陸部では、麻婆豆腐に代表されるように辛いものが中心となります。重慶の代表的な料理といえば「火鍋(フオグオ)」ですが、火鍋でなくても重慶の料理はとても辛いです。ご飯時に街に出ると、あちこちのレストランから唐辛子の辛味成分が漂ってきてくしゃみが出ることもよくあります。うちからそう遠くない農産物卸市場には唐辛子市場という一角があり、近くを通るだけで鼻がむずむずするのです。
こちらの人は小さい頃から辛いものに慣れています。息子(4歳)のお友達の中にも「酸辣粉(スアンラーフェン)」という、唐辛子や香辛料とお酢を合わせたタレの中に、お米で作った麺を入れて食べるのが好きな子がいます。いつごろから辛いものを食べるのか聞くと、3歳くらいから大人の食べているものをスープなどで少し洗って食べ、慣れていくようです。もちろん家庭によっていろいろなので、最近では家族ともども辛いものは控えめにしているところもあるようです。
こちらに来た当初は本当に食べるものに困りました。レストランもほとんどが火鍋や四川料理のお店なのです。四川料理店では辛くないものを探すのが難しいところも多く、仮住まいでホテルにいるときなどは大変でした。辛いだけでなく、油の使い方もダイナミック、お肉は脂身がたっぷり、量が尋常でないほど多い...などなど、食のカルチャーショックで打ちひしがれていました。四川省の成都だと開け具合が少し違って、チェーンのピザ屋さんや日本料理店、その他西洋料理店などが簡単に見つかりましたが、重慶ではピザ屋さんもほとんどなく、違うものを食べたければホテルの中でお食事するより仕方がない状態でした。
でも、それもこの一年半でずいぶん変わってきています。まず私たち自身が辛味に慣れてきたことが大きいと思いますが、重慶にもずいぶんたくさんの喫茶店や洋食屋さんができてきて、少し趣向を変えたものを食べたくなったときにその要求を満たしてくれるところが出てきたのです。たいていは台湾風の喫茶店やファミリーレストランといった雰囲気で、味に当たり外れのないのはやはり中華メニューですが、てんぷら定食やうなぎの蒲焼定食といったものから、鉄板焼き、カレー、ステーキ、パスタなどいろいろなものがそろっています。
ただ、味覚の習慣というのはなかなか変えられないせいか、それらのお店で洋食を頼むと、これでもかというほど粗挽きの黒胡椒がかかってきて、口の中がひりひりすることもしばしばです。それに脂っこくて量がとても多く、見ただけでお腹がいっぱいになることもよくあります。地元の人のニーズに合わせてあるので仕方がないのですが、おいしかった広東料理のお店が、しばらくぶりに行くとずいぶん濃い味になって、おまけに以前なかった四川料理のメニューまでできていたこともありました。どこかで合わせていかないと、まだまだ食に関しては保守的な土地で生き残っていくのは難しいようです。
それでも、若い人を中心に食文化も多様化しつつあるのでしょう。ときどき行く中華料理のファストフードのお店で、お昼の定食をお箸でつつきながら「これ、油多すぎ!」と言い合っているOLをよく見るようになりました。スーパーマーケットでパック入りのお肉を買うときも、赤身の多い部分を選べるようにもなりました。生活の基本である「食」ですが、中国の発展とともに少しずつ変わってきているのかもしれません。
画像上:「唐辛子市場」の中。辛味成分が充満していてむせ返りそうになることも...。赤ちゃんを連れた人が店番をしていたりして、大丈夫なのか心配になります。
画像中:「鴛鴦火鍋」という、辛いスープと辛くないスープが半分ずつの鍋。スープ自体に味がついています。辛い方(赤い)は、上部はたっぷりの油なのであまり湯気が出ません。火が通った具は胡麻油に付けていただきます。高カロリー!!
画像下:デパートにある洋食屋さん。日本のファミリーレストランのような雰囲気です。
【短信】春ごろ、真夏のように暑かった重慶ですが、雨季の今はまた長袖がいるほど涼しいです。冷蔵庫にストックしてあるアイスクリームの出番がありません。(6/4)
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