■最近の本屋さん 2004.5.17 update

日本では、昔のような個人商店の本屋さんはだんだん減ってきて、大型店舗を構えるところが多くなってきているようですが、こちらでも最近は都市部を中心に大型書店が増えています。重慶では、去年、解放碑という市中心部の繁華街に「重慶書城」という本屋さんができました。これは、中国の国営企業である新華書店のものです。むかしは、中国で本屋といえば新華書店しかなかったのですが、今ではいろいろな本屋さんがあります。それでも、規模はやはり新華書店がいちばん大きいのだと思います。

ほんの数年前まで、本屋さんはどことなく暗い雰囲気がありました。日が差し込むようなところにあるのはまれでしたし、店内の蛍光灯も暗かったのです。売っている本も、装丁はありきたりで紙も粗末で、外国人の私が手にとって読んでみたいと思わせるような本は少なかったのでした。お店の人も(すべてが国営企業の時代はみんな同じでしたが)、レジで居眠りしていたり、探し物があって尋ねても「我不知道!(わかりません)」とか、「没有(メイヨウ=ない)!といわれて取り付く島がなかったりで、よほどの用事がないと書店に行くということはありませんでした。

ところが今の大型店は違います。店内は明るく広々としていて座るところもあります。店員さんは若い人が多く、在庫の管理もコンピューターを使ってしているらしく、探し物にもちゃんと応えてもらえます。たいてい、一階は小説やエッセイ、地図や旅行関係、実用書などを置いていて、二階には音楽のCDやDVD、CDプレイヤーや複読機と呼ばれる語学の勉強用のプレイヤーなど、オーディオ関係のコーナーを設けるところが多いようです。それ以上の階は、専門書や辞典などがあったり、子供用のコーナーがあったりします。重慶書城では、一番上の階には児童書と玩具や文具、それから子供のプレイコーナーが設置されています。中には喫茶店やファーストフード・コーナーもあり、家族そろって本屋さんに来て、一日遊べるくらいの規模があるのです。

私はときどきここへ来ると2時間くらいは出てこられなくなります。本の種類はむかしとは比べ物にならないくらい多くなり、内容も豊富です。日本や欧米のベストセラー小説の翻訳ものもたくさん出ていますし、最近ではレジャーやアウトドア関係の指南書、風景の写真集、イラスト・漫画などが目を引きます。新刊は入り口付近にきれいな螺旋状に積み上げられて、ディスプレイの仕方も凝っています。以前なら絶対に出版などされていないだろうという軽い内容のネット小説もたくさん出回っていますし、「チャタレー夫人の恋人」なども出ていました。本の装丁もカラフルで、眺めるだけでも楽しいものがたくさんあります。ぶらぶらと本のジャンルなどを眺めていると、それだけ中国の人々の生活が多様化したのだなあと思わずにはいられません。

先日は、労働節(メーデー。1週間のゴールデンウィークになります)にどこかへ出かけるために重慶周辺の地図やガイドブックを探しに行きましたが、重慶だけでなく、近辺の四川省や雲南省などのものはほとんどが売切れてしまっていました。生活が少しずつ豊かになってきて、休みのときに旅行に出かける人もどんどん増えているのです。そんなところからも今の中国の様子を垣間見ることができるのです。

画像右上:旅行関係の本。カラー写真がふんだんに使われていて眺めるだけでも楽しいです。
画像左上:重慶書城の外観。6階までが書店です。
画像右下、左下:店内一階の様子。いつも人でいっぱいです。


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