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重慶には、北京や上海のように地下鉄はありません。庶民の足といえば、バスやタクシー、そしてロープウェーです。ロープウェーは市内を流れる嘉陵江にかかるものと、長江を渡るものの二つあります。どちらも、市の中心部の渝中区の真ん中に近いところへ渡れるようになっています。
バスは車掌さんのいる路線では1.5元から2元、ワンマンバスは1元です。バスは、大型のものから小型のミニバス、6−8人乗りくらいの相乗りタクシーのようなもの、電気で走るトロリーバスなどがあります。乗り換えさえ間違わなければ、市内のどこでもバスで行くことができるくらい路線は充実しています。
こんなのでよく坂道を走れるなと感心するくらい年季が入ってボロボロのバスもあれば、液晶テレビをつけて地元テレビ局の編集したバス用の番組を流しながら走る新型バスもありますが、そのどれもが狭い坂道であろうと広い幹線道路であろうと、かなりスピードを上げて走るのでなかなかスリルがあります。曲がり道などもけっこうスピードを上げたままなので、ひっくり返ってしまうのではないかとハラハラさせられるのです。
タクシーの初乗り料金は5元で比較的気軽に乗れるので、お天気の悪い日などは空車を捜すのが難しく奪い合いになることもままあります。タクシー乗り場はあるのですが、並んで待つということはしないので、ほかの人よりもさらに車が来る方向に近い部分に立ち、先に乗り込もうとする人たちで殺気立ちます。地元の人と奪い合いになるとたいがい負けてしまうので私はあまり争いに参加しませんが、うまく乗るコツは、すかさず助手席に乗り、先に行き先を告げてしまうことです。ほかの人と同時に助手席側と後部座席側のドアに手をかけても、そこでひるんではいけないのです。「とにかくまず乗る」、これが鉄則といえるかもしれません。そうしないといつまでたっても車には乗れないからです。
重慶も車が増えて、あちこち渋滞するようになりました。それを緩和するために、いくつかの道では、偶数日にはナンバープレートの末番が偶数の車、奇数の日には末番が奇数の車しか通れなくなっています。タクシーに乗るときも、最短の道にこういう規制のある道路がある場合は注意を要します。もし偶数の日(たとえば28日)にナンバープレートが「A2345」などという末番が奇数のタクシーに乗ってしまうと、ぐるりと遠回りをしなければならなくなるからです。私の家は、こういう道を通るので、タクシーに乗るときは必ず先にナンバープレートを見てから乗らなければなりません。それも面倒です。
さて、ようやくタクシーに乗り込んだら、次は家に着くまで足を踏ん張っていないといけない...という事態になることがあります。重慶の運転手はとにかく運転が荒いのです。気が短いというのでしょうか。渋滞や信号は大嫌い。なるべく前へ前へと行けるように、ほんの少しの車間距離でもギリギリまで詰めます。わりこみは日常茶飯事。それも車と車の間に1メートルくらいの余裕があればつっこんできます。渋滞していなければ出せるだけスピードを出します。横断歩道がなくても歩行者はあちこちから飛び出してきますし、それも車を見もせずに悠々と歩いていたりするのですが、それを見事なハンドルさばきで、ほとんどスピードを落とさずに交わしたりもします。
こちらのタクシーはほとんどマニュアル車なのですが、片手でハンドル、もう片方でギアを握りながらもひっきりなしにクラクションを鳴らし、そのうえ前の車に「速く行け!」とばかりにライトをパッパッと点滅させたりしながら、坂道や曲がりくねった道もなんのそのとハイスピードで走るのです。運悪く(?)こういう慣れた運転手に当たった場合は観念してシートベルトを締めるか、シートベルトもない車の場合はできるだけ浅くシートに腰掛けて体を倒し、足を踏ん張るのです。家に帰るとどっと疲れるのはいうまでもありません。
バスの場合は停留所があるので、スピードが出ていると言ってもまだタクシーよりはましです。そういうわけで、私はあまりタクシーには乗らず、もっぱらバス派で通しています。
画像上:嘉陵江にかかる「嘉陵江索道」というロープウェー。片道3分くらいです。
画像中:客待ちタクシー。夕方になると、逆にタクシー待ちのお客さんが増えます。
画像下:狭い坂道をバスとタクシーが入り混じって走ります。
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