■中秋節(チョンチュウジエ) 2003.9.15 update

重慶は、8月の初めにとても涼しくなったと思ったら、半ばから月末にかけては連日36-39℃という猛暑が続きました。夜でも32-33℃を下らない蒸し暑い日の連続でしたが、夜になると「リーンリーン」と鈴虫の音も聞かれ、暑いながらも確実に季節が移っていることを感じ取れました。

9月に入るととたんに涼しくなり、先日との気温差が突然10℃以上も違ってきて、あわてて薄手の長袖を引っ張り出して着たりしています。もちろん、このままずっと涼しいわけではなくまた暑さは戻るのですが、それでも日に日に秋めいてきている重慶です。

さて、9月11日はお月見ですね。もともとお月見は中国の風習でしたので、もちろん中国でも「中秋節」といいます。日本では、お月見といえばお団子ですが、こちらでは月餅(げっぺい=ユエビン)が欠かせません。中華街などで売られているのをご覧になった方もあるかと思いますが、月餅というのは中に餡を入れた焼き菓子です。英語だと「Moon cake」という訳がつきます。餡は、小豆というのは少なくて、くるみ餡や緑豆餡、蓮の実の餡、アヒルの卵黄の塩漬けが入っているもの、自家製だとお肉が入ったおかずのようなものもあります。

最近では、従来の形にとらわれない「冷やして食べる月餅」や、世界的にも有名な大手のアイスクリームメーカーの「アイスクリーム月餅(月餅型のアイスクリーム)」、チョコレートメーカーの「月餅型チョコレートの詰め合わせ」なども出回っています。また、月餅とお茶や、月餅とワインのセットなども見られるようになりました。

月餅はいつでも食べられるというわけではありません。たいていはこの時期限定で、8月の半ばごろから、ホテルや有名レストランやデパートなどでは予約の受付整理券配りを始めるところもあります。上海の老舗レストランの月餅は有名で、年中秋節の数日前になるとビルを取り囲むくらい人が並んで、予約した月餅を受け取っていたりもします。

月餅は、自分で買って食べるというよりも、日本のお中元やお歳暮のように贈答品として扱われ、親しい人どうしで贈りあうこともあれば、ビジネスのお付き合いとして会社どうしで贈りあうこともあります。また、会社から社員に支給することもあります。ですから、お値段のほうも高めで、たいていは豪華な化粧箱入りです。重慶は低所得層と高所得層の差がとても大きいので、人によっては月餅はとても高価なぜいたく品に映ることでしょう。

もちろん誰でも買えるばら売りの安いものもありますが、その差は歴然としています。それでも、中国の人は節句をとても大事にしていて、昔は節句ごとに家族が集まり皆で過ごしました。今でもその習慣はしっかり根付いていて、だからこそ安くても高くても、この季節に月餅は欠かせないものとなっているのだと思います。

さて、中秋節が終わると、あの大量に売られていた月餅は店頭からいっせいに姿を消します。日持ちがするとはいえ、季節の過ぎたものは売れません。重慶ではどうなのか分かりませんが、上海近郊では、一部は豚の餌になっていたようです。毎年中秋節のあとのニュースで、大量の月餅を食べる豚たちが写っていました。でも毎日毎日月餅では、いくら豚クンといえどもイヤになるでしょうね。

画像上:月餅の広告(スーパーで売られている比較的手軽なもの)、1元は約15円。
画像下:こちらは、チョコレート月餅のパンフレット。2個入りで約900円、12個入りで約3300円と、決して安くはない金額です。


<<もどる