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いつものことながら、日本に帰ってきて実感するのは、「日本は便利」ということです。あちこちにお店があり、たいていの物はすぐに手に入ります。品切れで買えないということもほとんどありません。仮に品切れでも、次いつ入荷するか、家まで配達してもらうことは可能かなどすぐに分かりますし、どうしてもいるものなら他を当たれば買うこともできるでしょう。家を出ずとも宅配というシステムがあり、その日の食材から、洋服、玩具、靴、各地の特産品まで、様々なものが電話やファックス、パソコンさえあればすぐに手元に届きます。
また、100円ショップなどもはやっていますね。家中のありとあらゆる小物類が並んでいるのは圧巻です。電気屋さんへ行けば、電動歯ブラシ、食器洗い機、ホームベーカリー、乾燥までできる洗濯機、拭き掃除感覚の掃除機、ホームエステの器具、電動マッサージ椅子、お茶の葉を粉にする機械、胡麻をする機械などなど、用途別にたくさんの家電器機が並んでいます。たまに帰ってくると、そういうものが珍しくてわざわざお店をはしごするくらいです。
中国も、大都市ではずいぶん便利になってきました。4〜5年前までは、大型スーパーマーケットもあまりなく、ましてやコンビニエンスストアなどは皆無でした。市場ではその季節の野菜だけが並び、「カレーを作りたいのにジャガイモがない」ということもしばしばありました。
上海には、日本人向けの食材屋さんがいくつかあります。お店の数が増えたのでずいぶん便利になりました。少々割高ではありますが、日本のメーカー品が輸入されて、だしの素、鰹節、ゆであずきなどという珍しいものもそろえてあります。でも、「このあいだはあったのに今日は品切れ。おまけにいつ入るか分からない」ということはしょっちゅうなのです。それでも、前述の野菜については、旬のもの以外にも年間を通じて食べられる野菜も多くなり、種類もぐんと増えました。有機栽培野菜なども見られるようになってきて選択の幅が増えました。また、100円均一ならぬ8元均一ショップもあり、日本のお店で売っているような小物も出回っています。以前を思うにつけ、「上海も便利になったなぁ」と感じることが多くなりました。
でも重慶に引っ越してからは、また不自由に感じる生活になりました。昔の上海を知っているのに、便利になった上海の生活を享受して久しいため、買い物をするのにバスを乗り継がなくてはならないことも、ちょっとしたものがほしいのにコンビニがないことも、売り場に行っても必要なものが置いていないことも、すべてがストレスになりました。おまけに上海ででも見たことのない野菜が売っていたりします。中国人の夫に聞いても分からない野菜で、食べてみると形からは想像できないのに大根の味だったりしたこともありました。その野菜も、ある時期が過ぎると店から姿を消しました。今回は、その重慶から日本に帰ってきたので、よけいに日本は便利に思えたのかもしれません。
先日新聞で、日系の大手家電メーカーが上海で売り出した空気清浄機が、高額にも拘らずあっという間に売れてしまったという記事を読みました。今後は、日本の少し前の型を中国で新製品として売り出していたやり方をやめて、日本も中国も同時に新製品を出すようになっていくかもしれないそうです。それだけ富裕層が増えてきて、同時に、消費者の商品に対する意識もどんどん向上してきたということなのでしょう。確かに、上海でも重慶でも、お金のある人は高くていいものを惜しげもなく買います。年齢が高くなるとまだまだ保守的ですが、今の40代より下の年代の人は新しいもの、便利なものに敏感です。
便利を知るともう後戻りは出来なくなるので、これからは中国も大都市圏を中心にどんどん変わっていき、すぐに日本に追いつき、やがて追い越してしまう地域も出てくるでしょう。中国全土が変わるまでには、まだまだ時間は掛かると思いますが、そうなった時、日本は、世界は、どうなっているのだろうと考えずにはいられません。
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