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中国の都市は、今どこでも建設ラッシュで街中が騒々しく粉塵にまみれています。ある程度出来上がっている北京や上海でさえ、今もなお毎日あちこちでビルやマンション、高架道路などが作られ続けています。ここ重慶も例外ではなく、街中が埃だらけで、街路樹の緑も土の色をしています。このあたりの土壌は赤土なので、舞い上がる土ぼこりも赤っぽい色です。亜熱帯に属する重慶はすでに日中は20度前後と暖かいので家の窓を開けておくのですが、そうすると、あっというまに家の中がざらっとした感触になってしまいます。
重慶は別名「山城」といわれ平地のないところでした。重慶市の中心も、四方を山に囲まれています。歴史のあるところなので、現在の市の中心部に当たる渝中区には、古くから人が住み道を造り建物が建てられてきました。今の街並みも、古い街を基盤にできているので、日本のように山を切り崩して平地にならしてありません。それで、高層ビルが山に沿うように建っています。川の向こう岸から眺めると、ビルがまるで記念写真を撮るときのように段々に並んでいるのです。私の住む郊外の方はもともと山でしたが、今はそれを発破で爆破してある程度平らにならし、そこへ新しいマンションなどを建てています。それでもやはり土地が微妙に傾斜しているので、建物の玄関が4階くらいの高さにあったり、こちら側から見ると確かに15階部分なのに、外側から見ると10階にしか見えなかったりすることがよくあります。実際、私は14階に住んでいるのですが、マンションの敷地全体の入り口とマンションの建物の玄関の高さが違うので、道路側から見ると8階に住んでいるように見えます。
上海などの大都市と同じように、街は郊外へ郊外へと広がっていっています。うちの前の幹線道路も、去年の年末まではすぐ先で行き止まりになっていたのに、今では長く長く延びていて、その両側には新しいビルの建設が始まり、昼夜問わず赤土を満載したダンプカーや建設機材を積んだ大型トラック、コンクリートミキサーなどがひっきりなしに通っています。夜中も多くの人が徹夜で仕事をしていて、休みなしのようです。突貫工事で多くの建物が建ち、街が整っていくのです。
このように重慶は山ばかりなので、坂でなければ階段を利用することになります。街中には古い石畳や、山肌に沿って作られた細くて急な階段がたくさんあります。初めて重慶に来たとき、これほどの坂の街だとは知らずに地図を見ながらあちこち散策したのですが、迷い込んだ公園が、地図では平面の広い公園なのに実際は段々畑のように階段から成っていてびっくりしたりもしました。道は、上海のようにまっすぐ伸びていなくて、同じ道の名前なのでずんずん歩いていると、全然方向違いなところへ行ってしまうこともあります。もともと山に沿って造られた道なので、丘陵を囲むようにしてぐるっと回っていることが多いようです。細い道や階段も多いので、地図には載っていなくて迷い込むこともあります。ある方が、「重慶の地図を見るときは、折りたたんでくしゃくしゃにしてそのまま見ると『山城』らしくなるよ」とおっしゃっていましたが、確かにその通りです。地図を平らに広げて見たのでは、地形も距離感も正確にはつかめないのです。
先ほど「重慶は四方を山に囲まれている」と書きましたが、冬のあいだは霧やスモッグが多く、はっきりと街全体を見渡せたことがありませんでした。先日からときどき雨が降るようになり空気がきれいになって、初めて四方が山であることを確かめました。柔らかな曲線の山ではなく、どちらかというと頂上がとんがった山が延々と連なっているのです。日本でも見慣れた「山のある風景」ですが、やはり趣が違うなと思いました。
画像上:街中にある人民公園へ行く階段。こういう階段があちこちで見られます。
画像中:つり橋のような渡り廊下がついたマンション。左のマンションから右のピンクのマンションを通り、その右にある道路へつながっています。写真を撮っているのは、その道路を下ってきたところです。
画像下:重慶港から見た長江と、南山風景区の山々。ぼこぼこととんがった山が連なっています。
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