■豫園の歩き方 2002.10.16 update

今年は日中国交正常化30周年です。そのせいなのか、単なる流行なのか、日本ではちょっとしたシャンハイブームだと聞いています。この秋にご旅行に来られる方も多いことでしょう。ツアーには観光が付き物ですが、上海の市内観光に欠かせないところといえば「豫園」だと思います。「豫園」というのは明の時代に作られた庭園ですが、一般の観光客にとっての「豫園」は、この庭園の横にある「豫園商城」であることが多いといえるかもしれません。

豫園商城は19世紀ごろからある一大ショッピングセンターです。12-3年位前まではその面影を強く残していて、生活用品から娯楽用品、食品などまでなんでもそろう場所でした。一度入ったら、なかなか同じところへ出てこられないほど入り組んで、ごちゃごちゃとしたお店が連なり、見ているだけで日が暮れるほどでした。そして、まだ地元の人々が日常的に利用する場でもあったのです。それが94年くらいからだったでしょうか、だんだんと整備が始まり、今では大きな観光スポットとなりました。豫園商城の中だけでなく、周りを取り囲むように巡っている人民路あたりのお店も整備され、緑化された公園になったり、もともとあったお店はひとつのビルの中へ入れられたりしました。豫園商城の中はお土産物屋さんが多くの割合を占め、あとはレストランなどが目立ちます。ツアーの観光では、この豫園商城の中へ連れて行ってくれ、有名な「緑波廊」の点心セットを食べたり、お土産を買わせてくれたりするのです。

でも、もし時間があるならば豫園商城の周りを覗いてみてください。横道には、中国特有の赤いお飾りだけを売る店や、安っぽいアクセサリーだけの店、ゴム風船と自転車の荷台につける紐の店など、日本では見られないお店がたくさん出ています。ここは、小売もしてくれますが、多くは地元や地方から大量に買い付けに来る卸の店でもあります。道いっぱいに台を出して売っている店、店を構えず、どさくさにまぎれて違法な行商をしている人、そこに集まる人をターゲットにした果物の切り売りの屋台...。汚いし、無秩序で、ちょっと覗くだけでも疲れますが、中国パワーを少し垣間見ることができるでしょう。時おり「環境監察」の車が、抜き打ちで摘発にやってきます。そうすると、今まで出ていた屋台がいっせいに姿を消し、道端に敷物を広げて行商していた人も、敷物ごと商品をかっさらって逃げていきます。環境監察の車は、逃げ遅れた違反者を捕まえ、勝手におかれているリヤカーや自転車を没収し、何かと理由をつけて返してもらおうと食い下がる人との間で小競合いが始まります。事態が一段落して彼らが去っていくと、またどこからか行商人が現れ、店も前と同じように道端まで台を出し、何もなかったように商売が行われるのです。

その脇にはいくつか小さなビルがあり、中には間口1.5メートルほどのブースが何百と並んでいます。工具、アクセサリー、手芸用品、靴下、下着、かばん、ビニールの袋、紐、日用雑貨、装飾品など、こまごましたものが所狭しと並べられ、売られているのです。商品は、本物も偽物も、いいものも悪いものもありますが、値段は安いものばかりです。ここも卸売りもする商店の集まりです。毎日多くの人が集まり、ものすごい熱気と活気があります。上海在住の日本人でも、何か探し物をするときにはここを訪れるという人が少なくありません。ただし、ここではできれば言葉ができたほうがいいかもしれません。値段は交渉次第ではずいぶん安くなることも多いのです。飾り物などなら外で買うよりもずっと安いので、お土産探しもいいかもしれません。でも、とにかく人が多いので、貴重品にはくれぐれもご注意を。お財布は「何気なくかばんに入れる」のではなく、「きちんと目で確かめてしっかり中に入れる」ということをどうぞお忘れなく。


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