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まだまだ寒い日が続いていますが、ちょっと前まで午後3時くらいには薄暗くなっていたのに、暗くなるのは午後5時近くと日が長くなりました。そして庭には春の訪れを告げるスノードロップスが咲いています。少しずつではありますが確実に春に向かっています。
そんな2月、マーケットにはあるものが並びます。それは...オレンジ。「えっ、別に珍しくないじゃない?」といわないでくださーい(笑)。普通の甘〜いオレンジではありませんよ。そのままではすっぱすぎて食べられない「Seville orange」というクッキング用のオレンジです。見た目は普通のオレンジとなんら変わりがないので、間違って買ってしまう人もいるのではないでしょうか。
さて、このクッキング用のオレンジで何を作るかといえば、マーマレードです。こちらでは朝食に食べるトーストの上にはかかせないものです。トーストにマーマレード、ご飯にお漬物くらい切っても切れない間柄です。スペインで作られるSeville orange。そのほとんどがイギリスにやってきます。もともとマーマレードはポルトガル語で、15世紀ごろにイギリスに入ってきたそうです。果物が食べられない時期の保存食として、または柑橘のものが体にいいとされ病気予防としても食べられていたようです。
商品として売られるようになったのは19世紀はじめ、James Keillerというスコットランド人が、奥さんの作ったマーマレードを売ったのがはじまりといわれています。それが知る人ぞ知る、あの「Dundee(スコットランドの町の名前)Marmalade」です。今、日本ではDundee Marmaladeの初期のジャムポット(ガラスが貴重だった頃は陶器の入れ物でした)をインテリアとして飾るというのが流行っているそうで、オークションで高額取引されているようですね。その他Cooper's Oxford marmalade、Robertsons、Tiptree and Wilkin & Sons、などイギリスには数多くのジャムメーカーがあります。どちらの会社も創業100年を越す老舗のジャムメーカーで今でも伝統の味を味わうことが出来ます。
始まりは創業者の奥さんが作ったマーマレードというから、イギリスのおふくろの味といってもいいかもしれません。同じオレンジから作ったマーマレードですが、各社微妙にそれぞれ味が違うんですよ。皮が厚かったり、細かったり、味が濃かったり、甘かったりなどなど。そんなイギリスのおふくろの味を、私も渡英以来毎年作っています。作り方はとっても簡単。オレンジを切って煮るだけ。でも時間がかかります。材料はSeville orangeと砂糖、水、レモン(なくてもいい)です。難しいのはマーマレードの硬さを決めるところでしょうか。火が入りすぎると、さめた時にゼリーのように硬くなってしまいます。でもあまり火が入っていないと水っぽくなります。その微妙な加減が毎年作っていても難しいところです。
マーマレードが硬くなるのはオレンジからのペクチンという成分のせいで、特にゼラチンみたいなものをいれたりはしません。100%自然の味です。買ったものよりも手作りのマーマレードの方が比べ物にならないくらいおいしいのはなんででしょう。愛情のせいとか?? オレンジの香りが口の中で、もぉ〜すんごいことになっています(笑)
そんなすんごいことを味わいたい方、レシピを載せておきますのでぜひ作ってみてはどうでしょうか。Seville orangeが手に入らない場合は、はっさくや夏みかん(日本ですと)などすっぱめのみかんで試してみてはいかかでしょう。よりイギリスのおふくろの味に近づけるのではないかと思いますよ。
1キロのオレンジで、ジャムビン約8〜10コぐらいできます。うちでは2〜3ヶ月でなくなってしまいます。そんな人のためにSeville orangeの水煮状態のものが缶詰になって売られています。季節を関係なく手軽に買うことができます。後は砂糖を加えて再び煮るだけと、手間がはぶけ、1年を通して手作りのマーマレードが味わえます。その昔は当たり前のように自宅で作っていたマーマレード。手軽に買えるようになってからも手作りの味を味わいたい人は多いというわけですね。私もこれから作りまーす! 今年もおいしくできるか楽しみです。
※うちのレシピはこちら、私のHPで紹介しています。
http://www2.gol.com/users/jbyrne/maru/frame.htm
画像右上:すっごく寒い日の夕焼けはきれい。
画像左上:いまが旬のスペイン産Seville orange
画像右中:老舗メーカーのマーマレード
画像左下:日本で人気(?)Dundee Marmaladeの陶器ポット
画像右下:うちのマーマレード(去年のもの)。煮ているところです。
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