|
ベトナムのハノイでもホーチミン市でも一度来たことがある方は、あの異常なほどのバイクの波をご存知でしょう。そうその昔、日本のTVで中国の映像というと道路一杯に広がる自転車の洪水。あれと同じような状況がベトナムではバイクでおきています。
  
右上の画像では中央分離帯のある道路ですから反対車線にはみ出しているバイクは居ませんが、街中の狭い道路や分離帯の無い道路では反対車線にはみ出すのは当たり前。一方通行逆走も当たり前。日本では有り得ないところからバイクが走ってきます。たとえばここベトナムは基本的に右側通行なのですが、右側通行で交差点を右折すると、目の前に対向車がいたりします。右側通行で右折で右側レーンに入っているのに対向車?? しかもクラクションをけたたましく鳴らしながら当然のごとく走ってきます。
先日、山間の村へ行った時、結婚式のパレードに出くわしました。それもみんなバイク。民族衣装のアオザイを着た女性、スーツ姿の男性ら30台くらいのバイクが手に旗や花を持って二列に並んで走ってきます。そして最後には、なんと新郎新婦の二人乗りバイク。結婚式にもバイクで行きます。結婚式ですから当然ビールなどのお酒を飲みます。バイクで来てますからバイクで帰ります。そう何百人もの酔払い運転が堂々と式場からバイクで出発していくのです。
そんな状況ですから、当然、交通事故も起こります。この画像を撮影していた時にもガッシャーンと大きな音を立てて滑っていくバイクを目撃しました。さすがにカメラを向けることはできませんでしたが、大きな怪我はしていなかったようで立ち上がって去っていきました。しかし、怪我をしなかったのは幸運だっただけで、ヘルメットを被らないベトナムではバイク事故は死亡原因のトップになっています。
以前より国道ではヘルメットの着用が義務付けられていたのですが、取り締まりが甘くほとんど実行されていませんでした。しかし、この9月15日より罰則が強化され、やっと国道でのヘルメット着用率が上がりました。また、来る12月15日からはすべての道路でヘルメット着用が義務付けられます。
交差点で見ていても現在街中のヘルメット着用率は3割ぐらいになってきたでしょうか。一見、無法運転をしているようなベトナム人ですが、厳しい法律が決まるとすぐに従うのもベトナム人です。このまま一気にヘルメット着用が定着するようにも思えます。
画像左:交差点では四方からバイクが入り乱れる
画像中:街中ではヘルメット着用は少ない
画像右上:信号待ちの時はバイクで渋滞になる。中央分離帯があるので、さすがに反対車線にはみ出すバイクはいない
画像右下:逆走する自転車。自転車くらいならそれほどでもないが、バイクの一方通行逆走ともなると…
------------------------------------------------------------
  
が、そこで落とし穴がありました。それは『ヘルメットが足りない』のです。8,000万人の人口を抱えるベトナム。そのほとんどの人がバイクに乗っているでしょう。300m先に行くためにもバイクに乗っていくほど歩かないベトナム人。そもそも歩道は歩行者のためというよりバイクの駐輪場か屋台のスペース、資材置き場と化しているのが現状。あちらこちらに蓋をしていないマンホールなどもあり、歩くほうが危険かもしれません(いや、バイクも十分危険なのですが。。。)
12月15日の全線ヘルメット着用までに8,000万個のヘルメットが必要と言われていますが、現状ヘルメットメーカーでは4,000万個程度しか供給できる見込みがないそうです。そのためヘルメット市場は高騰し、以前の3倍程の価格でヘルメットが売られています。街中にはヘルメット屋さんが急増して、このヘルメット・バブルに便乗しようとしています。
一方、ヘルメットメーカーは12月までに8,000万個は無理だからと法律の施行を延期して欲しいとか、一般人からは近所の買い物にまでヘルメットを被る必要は無いとか様々な意見もでてきています。12月まであと3ヶ月、この先どうなるのか注目です。
命を守るためにヘルメットはもちろん必要です。しかし、それ以前に運転マナーや法遵守を徹底するほうがヘルメット着用義務付けよりも命を守れるのではないのか?と思ってしまうのですが、みなさんはいかがでしょうか。。。
画像左:供給量不足で価格が高騰するヘルメット。現在ヘルメット・バブル中!
画像中:歩道は歩行者のためというよりバイクの駐輪場か屋台のスペース。歩けるスペースが無い
画像右:国道に近いこの交差点ではヘルメットの着用率が高い
|