日本でも最近よく紹介されているベトナム中部の観光都市ホイアン。その旧市街には築180年という家々が立ち並び、ユネスコ世界遺産に登録されています。
ホイアンの名物としてカラフルな提灯があります。これはかつてホイアンに住んだ中国人達が中華のお寺や集会場に収めるために作られていた物でしたが、西洋人がこの街を訪れるようになり、その提灯を見て『カワイイ!』と人気になったため今ではホイアンの代名詞にもなっています。
毎月、旧暦の14日の晩には「満月祭り(ランタン祭りとも言う)」が行われ旧市街の電気が消され色鮮やかな提灯で飾られます。その幻想的な街の姿を見ようと外国人観光客はもとより、最近ではベトナム人観光客もたくさん訪れる場所です。
しかし、人が集まればゴミが出るのは世の常。ベトナムでは少し前まで『ゴミは道に捨てるもの』でした。農村などの田舎ではゴミ収集車も無く、生ゴミは豚の餌、その他のゴミは庭に穴を掘って埋める。もしくは自分の庭先で燃やすというのが主流でした。トウモロコシの皮や果物の皮などが主なゴミだった時代ならともかく、現在ではビニール製品もあり、まして農村部ではないホイアンの街中で道路にゴミを捨てれば街はゴミで溢れかえりました。
街頭にゴミ箱を設置し車両進入禁止の街中へゴミ収集車だけは通行できるように整備し世界遺産の街を綺麗に維持しようという動きは、おそらくお隣の私の住むダナン市よりも早かったと記憶しています。
それでも未だに道路にゴミを出す家庭。収集車やリアカーを引きながら掃除をしていく街の職員もいるのですが、住民の意識改革がないと焼け石に水な状態です。また、まだまだ道路にゴミを捨てる事が習慣的な地方都市から来る観光客も街を汚しています。
ホイアンの「満月祭り」は満月の時に行われます。この満月の時は大潮の時と重なります。海岸から5kmの場所に位置するホイアンの街を流れるトゥボン川は、この大潮の影響を大きく受けます。大潮の影響ですっかり水位の下がったトゥボン川は美しい「満月祭り」を楽しみに来ている観光客にタイヤや空き瓶、空き缶などで汚れたその無残な川底を晒す事になります。
これはホイアンに限らずベトナムの他の観光地でも同じ問題を抱えています。湖や滝が有名なダラットでは周辺住民が垂れ流す汚水で滝つぼには洗剤の泡が立ち、湖はヘドロの匂いが立ち込めています。ダラットと言えば高原野菜で有名なところでもあり、このまま水が汚染されていけばその野菜作りにも影響がでてくる事でしょう。
今、日本の海外青年協力隊が環境保護の協力のためホイアンに派遣されています。任期は2年間。この2年という短い期間にどれだけ住民、観光客の意識改革ができるかどうか。日本も急速に発展していく過程で河川や海を汚してきました。汚れてしまった河川や海を元に戻すのは簡単な事ではありません。ベトナムはまだ間に合います。早くみんなが環境保護に目覚めて美しいベトナムの国を少しでも長く維持してほしいと願います。
画像上右:満月のホイアンの街
画像上左:ホイアン名物のカラフルな提灯
画像中右:トウモロコシの皮なら自然に帰るが
画像中左:ビニールやプラスティックは問題
画像下右:街角に設置されたゴミ箱
画像下左:無残な川底を晒すトゥボン川
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