■ベトナムの子供の一大イベント「中秋節」 2006.10.3 update

みなさん中秋節はご存知でしょうか。そうです。日本では中秋の名月と言ってお月見をしたりする、あれと同じく旧暦の8月15日に中秋節というお祭りが行われます。ベトナムは1,000年間くらい中国の支配下にありましたから中華文明の影響を色濃く受けています。この中秋節もそのひとつ。中秋節には獅子舞や龍が練り歩いたりするのです。

中秋節の時は月餅(げっぺい)というお餅を配る習慣もあります。丁度日本のお中元のように大きな会社は得意先に配ったり、お世話になってる人に贈ったりします。気がつくと机の上に山のように月餅が積み上げられていたりします。

街中に特設の月餅屋さんが出てきます。どこもかしこも月餅屋さんに早代わりです。こんなに月餅屋さんが出てきて全部売り切れるの?と心配になるくらい月餅屋さんが出ます。これはクリスマスケーキと同じで中秋節を1日でも過ぎたら売れなくなりますからね。毎年、翌日になると半額以下で処分されていますが、誰も見向きもしなくなります。

基本的に私はこの月餅が苦手なので事前に『私は苦手で食べられないんですよねぇ』とさりげなく周囲に宣伝しているので、最近は山積みになることもなくなりましたが、最初の頃は『もう見るのもイヤ!』というほど集まってきたものです。内緒の話ですが、集まってきた月餅をそのまま他へ横流ししてくる人もいるそうです。お気持ちはよく分かります。

獅子舞で使うお面はすべて手作りです。中秋節の2ヶ月くらい前から新聞紙を張り合わせて作ったような色づけされる前のお面が道端に干されています。これに色づけをして獅子舞とお囃子の太鼓と一緒に店頭に並べられます。中には激しい練習に耐え切れず中秋節を待たずに壊れてしまうお面や獅子舞もあります。この原稿を書いているのは9月の下旬です。今年の中秋節は10月5日なので、ただいま各所で練習の真っ盛り。あちこちからお囃子太鼓が聞こえてきます。

このお囃子太鼓にはこんな話もあるんですよ。このベトナム中部は9月生まれ、10月生まれが多いのです。今も街中にはおなかの大きな妊婦さんがたくさんいます。みんなこのお囃子太鼓を聴くと産気づくような気がするとか、子供を産んだときの痛みが蘇って来るとか言う人も多いです。なんで9月生まれ、10月生まれが多いのでしょうか。それは中部の雨季が11月、12月だからだそうです。雨季で表に出られないのと農閑期だからなんだそうです。え? 意味が分かりませんか? 文字数の都合で詳しくお伝えできないのが残念です。

話が横道にそれました。中秋節は子供のお祭りとも捉えられています。獅子舞には大小あって、小さい子供から大きな子供(?)までみんなで練習をして中秋節で披露します。大きな獅子舞は梯子やポールの上で曲芸をしたり、小さな獅子舞は日本の獅子舞のように近所の各家を回って踊りを披露したりします。

もちろん、踊りが終わったらお菓子を貰ったり、おこずかいを貰ったりするのです。大きな獅子舞の曲芸は見事ですよ。グループの中から選ばれた人がこの曲芸をやるようで、選ばれたら子供の中ではヒーローです。しかし時々ポールから落ちちゃう子もいますけれど。3、4才の小さな子供も獅子舞の後ろにくっついて各家々を回ってお菓子を貰ったり、これはこれで可愛いものです。

そしてこの中秋節には行灯を持って歩く習慣もあるようです。店頭には紙でできた行灯から、電池で動くプラスチック製の行灯まで様々なものが飾られています。中秋節は子供のお祭りなのでこの日だけは親も子供におもちゃを買ってあげます。今年はどんな行灯が流行るのでしょうか。やっぱり動くタイプなんでしょうね。そして中秋節が終わると、中部ダナンは本格的な雨季のシーズンに入って行きます。

画像右上:特設の月餅屋さん
画像左上:ただいま製作中のお面
画像右中:山積みされる獅子舞のお面
画像左中:獅子舞のお面とお囃子の太鼓
画像右下:紙製の行灯
画像左下:電動の行灯


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