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ベトナム中部にはかつてチャム族の国、チャンパ王国がありました。チャム族というのは今ではベトナムの少数民族のひとつになっていますが、2世紀ごろ林邑(りんゆう)と呼ばれた一大王国でした。林邑が時代と共にチャンパと呼ばれるように変わっていったと考えられています。そのチャンパのチャム人と日本人のかかわりも古くからあったと言われています。
今回、ダナンから南へ400kmの街、Thuy Hoa(トゥイホア)と途中のQui Nhon (クイニョン)という街に今でも残るチャム遺跡を訪ねてきました。国道一号線を南に250kmくらい走っていくと小高い丘の上に銀塔と呼ばれる塔が見えてきます。このQui Nhon、Thuy Hoa を含むBinh Dinh(ビンディン)エリアの遺跡群の半数は丘の上に建てられています。これは街を見守る意味で作られたといわれています。この塔のある丘の上に上ると遠くに金塔と呼ばれる塔が見えました。
海に近い村にあるBinh Lam (ビンラム)遺跡を探しに村の人達に聞きながら車を走らせて行きました。村の人達はみんな『塔に行きたいの?塔ならあっちだよ』と知っているのになかなか見つかりません。『ここから? そうだね500mくらいだよ』。ところが500m行っても1km行ってもまだ見つかりません。さらに村の人に聞いてみると『ここから? そうだね500mくらいだよ』。え?! 最初の500m地点からもう2kmは走ってきてるのにまた500mなの?? この長閑な村では500mも2kmもあまり変わらない『ちょっと離れてるよ』という意味なのでしょうか。
やっと見つけたBinh Lam 遺跡は、まさに遺跡と暮らす街、と言うか村。民家の影に隠れていた遺跡は、村の細道を徒歩で入って行ってさらに橋の無い小さな小川を裸足になって越え民家の庭先を通り抜けながら入ったところにありました。遺跡の敷地に民家があるというか、民家の庭に遺跡があるというか、とにかく村と遺跡が一体化して今でも残っています。近所の子供達は「ここから見ると綺麗な彫刻が残ってるよ」と誇らしげに自分の家の庭先に私を招き入れてくれました。
Qui Nhon 市内に残る双子塔も平地にある塔ですが、これはなんと市場の一部に残っています。今は塀で囲まれて公園になっていますが、かつてはこの塔の周りに市場が立ったそうです。塔の周りに人が集まる。人が集まるから市場が立つ。市場が立つからまた人が集まる。そうしてQui Nhon の街は生きてきたのでしょう。
もう一足伸ばしてThuy Hoa にある雁塔を探しに行ってみると、雁塔はあっさりと見つかりました。雁塔も小高い丘の上にあり、威風堂々と街を見下ろしています。丘の上に上がってみるとここはすでに綺麗に修復され街を一望できる公園になっていました。夕方になると夕涼みがてらに街の人達が集まってきてベンチに座って、のんびりと街を眺めながらおしゃべりをしています。夜になるとライトアップされ周辺の若いカップルが集まってくるデートスポットにもなっているようです。
遺跡を眺めながら暮らす街、遺跡と一体化しながら暮らす街、今は少数民族になってしまったかつてのチャンパ王国の末裔達は今でもチャム族のお祭りの時にはこの塔に来てお祈りをするそうです。
さてQui Nhon と言えばシーフードが美味しいのでも有名な街です。今日はひとつ変わった『ベトナムうどん』をご紹介しましょう。このうどん何だかわかりますか? これ実は『クラゲ入りうどん』なんです。クラゲと言っても木耳(キクラゲ)とか中華の乾燥クラゲとは違いますよ。本物の海にいる生クラゲです。
ダナンでもクラゲは食材として売っていますが、うどんに入っているのは見た事がありませんでした。お店の人に「美味しいよ、体にいいよ、名産だよ」と薦められるまま食べてみると、クラゲなので当然ですが。なんともプニョプニョとした不思議な食感と潮味。クラゲに栄養があるとは思えないのですが、地元の人達はこのクラゲの食感が好きなんだそうです。
で、味はどうだったかと言うと。。。いつかみなさんチャンスがあったら食べてみてください。なんと言っても名産品ですから。。。私はもう食べませんけど。。。
画像右上:小高い丘の上に建てられた銀塔。街を見守る意味で、丘の上に作られたといわれています。
画像左上:海に近い村にあるBinh Lam (ビンラム)遺跡。
画像右中:Binh Lam 遺跡。遺跡が村と一体化して残っています。近所の子供達が、「ここから見ると綺麗な彫刻が残ってるよ」と自宅の庭先に招き入れてくれました。
画像左中:双子塔。Qui Nhon (クイニョン)市の市場の一部に残っています。
画像右下:Thuy Hoa (トゥイホア)にある雁塔。
画像左下:Qui Nhon名産の「クラゲ入りうどん」。一度ご賞味あれ!
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