■国境の町 Lao Baoへ行く 2005.9.5 update

先日、2年ぶりにベトナム中部Quang Tri省にあるLaosとの国境の町 Lao Baoへ行ってきました。Lao Bao は山の中にあり、今でも少数民族がたくさん住んでいるところです。

国道1号線をドンハーから左に折れて国道9号線へ、ここから80km走ります。途中には、ベトナム戦争映画でお馴染みの『ロックパイル』や『ハンバーガーヒル』、かつてのホーチミンルートに繋がる『ダクロン橋』、ベトナム戦争中最大量の火薬が使われたという『ケサン基地』もこの国道9号線にあります。DMZツアーというベトナム戦争の跡を辿るツアーでは有名なルートです。

しかし、今は『東西経済回廊』と呼ばれる、ミャンマーからタイ、ラオスを通ってベトナムに抜けてくる新しい貿易ルートの玄関として脚光を浴びています。この地域はケサン基地のあったケサン町からラオス国境の町ラオバオまで全体が経済特別区として免税地域になっています。簡単に言えば『町ごとDuty Freeの町』なんです。

2年前には無かったホテルや大きなショッピングセンターができ、ラオスナンバーの車が行き来し、町のあちこちでラオス語やタイ語の看板があります。ショッピングセンターではタイ製品が市場よりも安く売られ、ベトナムより今風な洋服も売られています。各店々にはベトナム語とラオス語で書かれた『免税!』という看板があがり、商売も盛り上がっているように見えます。ところが現実はまだまだ規制が多く、ショッピングセンターで買い物をしている人は少ないのが現状です。

ラオスのサバナケットの町からは250km離れています。売っているのもタイ製品なので、わざわざ250km離れたところまで買いに来ません。ベトナムのドンハーの街からも80km、ダナンからは250km以上離れていて、なおかつベトナム人が買う時には、『町ごとDuty Free』のエリアから出るときに税金が掛かります。また、このラオバオ周辺の人たちは少数民族が多く収入が高いとは言えません。

国境で、籠を担いだ少数民族の少女に声を掛けました。彼女はイナゴのような生きた虫を籠に入れて売り歩いていました。『それいくら?』と聞くと『10匹で10円』との答え。籠の中身は50匹くらいでした。『どうやって食べるの?』と聞くと、『私達は食べないから知らない。でもラオスの人たち好きだから買ってくれる』との事。

あまりの安さに『安いねぇ』と言うと、『じゃぁ買って』と屈託の無い笑顔で言われました。彼女たち元々国境付近に住んでいた少数民族はパスポート無し、通関無しでラオスとの国境を行き来できるのです。昔からそうやって暮らしてきた人たちですから政府も規制しなかったそうです。

話が逸れましたが、ここラオバオは新しい国際時代の波と古くからの伝統と生活の入り混じったところです。現在、新しいホテルや工場がどんどん建設されています。また2年後に行ったら、私が住んでいるダナンより都会になっているかもしれません。でも、その時このイナゴを売っている少女がどんな生活をしているのか、あの屈託の無い笑顔は残っているのだろうか? 日本も新しくなるために美しい緑や人間関係など、いろんな物を捨てて大きくなって来ました。新しくなるためには、捨てないとできないのでしょうか? 私はこの屈託の無い笑顔だけはなんとか残しながら発展して欲しいとラオバオの朝靄を見ながら祈りました。

画像右上:昔、ホーチミンルートの入り口だったダクロン橋
画像左上:国道9号線沿いには長閑な景色が広がる
画像右中:ラオバオの唯一の2つ星ホテル
画像左下:税関には、ラオス語の看板も
画像右下:ラオバオの朝靄


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