■鳥インフルエンザについて(2) 2004.3.1 update

鶏インフルエンザ騒ぎで2月下旬から旅行客が減ったため、仕事もあまり忙しくなく落ち着いた日々を送っている(著者はハノイにある診療所で通訳として勤務)。

しかし驚いたのは、2月下旬までは旅行者がけっこうハノイを訪れていたことだ。ベトナムでの鳥インフルエンザは2月はすでに日本でも話題になっていたので、どうしてこのような状況を知りながら日本からの旅行者が減らないのか疑問に思った。そこで、ハノイに事務所がある日本の旅行会社のスタッフに聞いてみた。すると、「直前にツアーのキャンセルをするとキャンセル料がかかるため、鳥インフルエンザのことを知りながらも旅行を決行している方が多い。でも、2月下旬以降はツアーの申し込みはぱったり止まっている」とのことだった。

テレビでは連日、鳥インフルエンザ情報を流しているが、驚くのは、ハノイ旅行のおすすめの時期は、10〜12月と、テト(旧正月)後の2月から本格的に暑くなる5月くらいまでなのだが、Sars騒ぎのあったこの2年は2月〜5月くらいまでは観光客はさっぱりで、とくに旅行者が多いホーチミン市では深刻な状況なのだそうだ。このようにSARSや鳥インフルエンザの時期は旅行者も少ないので、ベトナム関連の航空業界や旅行業界、ホテル業界の方には大打撃だろう。

私個人としては、夜中、下痢や腹痛になった旅行者の通訳で職場から突然、携帯にかかってくることがなく、夜、ぐっすり眠れるのがありがたい。鳥インフルエンザに関わっている人たちには申し訳ないが、この時期は私にとって夏本番の忙しさに備えた貴重な休息期間でもある。

鳥インフルエンザの予防については、在ハノイ日本大使館からも案内があったが、生きている鶏に近付かない、市場へいかない、手洗いを頻繁にする、くらいのものでとくにこれといったものではないが、今のところ、日本人で鳥インフルエンザにかかった人はいないし、たぶん今後も出なさそうだ。

去年までは、熱帯地方ではインフルエンザは流行らないと信じている人も多く、昨年の11月に私の仕事場でインフルエンザの予防接種のキャンペーンをしたときも(そのときはインフルエンザの予防接種をしておくとSARSの診断のときに便利、というものであったが)、「ベトナムでインフルエンザは流行らないでしょ!」と予防接種をしなかった日本人も結構いた。しかし、今年、タイやベトナムのホーチミン市で実際、鳥インフルエンザやA型インフルエンザが流行したということで、あわてて今年になってインフルエンザの予防接種に来る人も多く(ただし、予防接種は人間のインフルエンザ用で、鳥インフルエンザ用ではない)、現在は申し込みをしても順番待ち状態だ。

京都で鳥インフルエンザにかかった鶏が出荷されていた、と大騒ぎだそうだが、日本でもそうなのだから、ベトナムではきっとたくさん出回っていたにちがいない。ハノイは日によっては25度を越えるときもあり、だんだん夏のきざしがでてきた。こちらはそろそろインフルエンザ騒ぎも終息にむかっているような気配である。

画像:ホーチミン市でひときわ目立つ建物、聖マリア教会


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