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「気が抜けたよう」という表現はまさにこのときに使うと思ったのが、SEAGAME(*)が去ったあとのハノイの街の様子。
(*)タイ、カンボジア、ミャンマー、ブルネイ、ラオス、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムが参加する、東南アジア版のオリンピック。2003年12月で22回目をむかえた。
準決勝を無事勝ち進んだベトナムの男子サッカー。決勝戦のタイ戦の日は、朝からすでに優勝を確信した気の早い若者達が旗を掲げて目抜き通りをバイク行進する始末。試合は夕方からだというのにこの気合の入りようはただことではない。きっと勝っても負けても試合終了後はたいへんなことになるだろうと察し、職場の日本人スタッフは午後一番、「今日はよっぽど緊急事態でないかぎり、残業はしません!」と周りのベトナム人スタッフに断言し、終業時間ピッタリに自宅へまっすぐ帰ることにした。万が一残業をし、試合終了後の騒ぎにまきこまれたら、きっとその日は職場で夜を明かさなければならないだろうから(道が群集でふさがり、救急車もパトカーも通れない状態になる)。タクシーもこのときは開店休業状態。
このような私たちの決意表明にベトナム人スタッフは苦笑いしていたが、しかし、上には上がいるもので、ほんとに気合の入ったベトナム人スタッフは決勝戦には有給をとり、その日は仕事をしていなかったのだ。きっと親戚、友人一同集まって観戦するのだろう。
決勝戦の試合の間、私は自宅にいたのだが、中継を横目に家事をしていたので、あまり試合内容をおぼえていないが、今までの試合ではシュートするたびに家の外から「おおーっ!」という雄叫びがあがっていたので観なくともだいたいは察することはできる。しかし今回の決勝戦はその雄叫びが少なかった。
ベトナムが負けたことを知ったのは、試合終了時間1時間以上すぎても妙に外が静かなのを不思議に思ってテレビを見直したからだ。もし勝ったら、バイクによるパレードのみならず、鍋をたたきながら行脚する子ども軍団がすぐ騒ぎ出すはずだ。
それでも2位だからパレードはするだろう、と思っていたのに、意外や意外、街はSEAGAMEなどなかったかのように静まりかえっているのだった。お陰で普通に寝れましたけど。
翌日、ベトナム人の友人に聞いてみたところ「優勝を確信していたので、2位では意味がない!」との返事。「2位でも立派じゃない、2位はだめなの?」と聞いたら、「うーん、だめですね。私の友達はスタジアムまで観にいって、ベトナムが負けたのがショックで病気になって今日学校を休んでしまったんですよ」と。なんとも熱く激しいベトナム人。日本人との違いを久しぶりに実感した出来事であった。
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