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不景気が続く日本で「海外で働いてみたい!」と考えている人もいると思う。今回はベトナムで働くということについて述べたいと思う。一番てっとり早く、経済的にも楽なのが、日本から派遣され、駐在員として住むことだろう。任期は3年くらいと先がみえているから、それなりに目標をもって遊んだり勉強できたりするし、住む場所も会社がアレンジしてくれる。前任者がいるポジションであれば、いちから始める労力は必要とされない。唯一の欠点はどこの国へ行くかは自分で決められないことだ。
そのほか、海外駐在は無理だけど、海外で働いてみたいという人は、とりあえず働きたい国へ行ってみて、言語を学びながら主に日系企業の現地採用の仕事を探す、というパターンが多いようだ。私自身、現地採用派である。ベトナムに住んで4年目になり、その間、二度転職したが、2社とも日系ではなく外資系だった。
最初に働いた所は、百人近くいるスタッフの中で日本人は私だけというもので、働きはじめて数カ月はストレスのたまりっぱなしであった。約束の期日に頼んだものをもってこない、しかも遅れても悪びれた様子がない。問い合わせをするとたらいまわしに「○○さんに聞いて」をくり返され、挙げ句、最初に聞いた人にもどる。。。などは日常茶飯事。自分が100%悪くても決して謝らず、わけのわからない理屈を並べ、ごまかそうとする。最初のうちは「それもここの文化だから、反抗してはいけない」と忍の一字であった。
日本では6年間、都心のそれなりに忙しい会社で働いていたので、このようなベトナムのペースにイライラしどおしであった(今でも時々なるが)。。。昼休みを2時間くらいとり、ちんたらちんたらおしゃべりしながら仕事をしているのに、「忙しい、忙しい。私は働きすぎだ」とこぼすベトナム人スタッフに腹を立て、「そんなんで根をあげてたら、日本ではどこの会社でもやっていかれないよ!」と私が日本ででは、夜中まで残業していたこと、昼休み返上で働いたことを話すと、目を丸くし、信じられないという様子で「そんな場所で働きたいとは思わない」と皆、一様に言うのだ。
日本には「秘すれば花」という言葉がある。こちらにきてこの言葉は日本人の性質をよく表しているなと感じる。ベトナムは「言うが花」である。言ったもの勝ちである。今の職場はベトナム人だけでなく、欧米人も多い。日本では「黙っていても仕事さえ頑張れば、周りが認めてくれる。自分の手柄をひけらかすのは品がない」と思うが、ここでそんなことをしていても誰も評価するどころか、「おとなしいのはヒマだからなのね」と思われてしまう。また、黙っていると自分に直接関係ない仕事がまわってきたり、責任をなすりつけられたりするので、そのときは「なんですと!?」と強く主張しなければならない。
私は、日本の会社では強く拒否することなどなかったため、いつも違和感があったが、最近でははっきり言えるようになったような気がする。先週も青筋をたてながら自分の正当性を演説したところだ。ここまでしないと、周りは「そうなのか。そこまで嫌がっているのだな!」と気付いてくれないのだ。。。しかし、それでも周りの外国人スタッフから「日本人はおとなしいわねぇ」と言われている。。。
マイナス面ばかり紹介してしまったが、いいところもある。ベトナム人は仕事中でも冗談をいったり、リラックスした雰囲気を持っている人が多い。また、親しくなれば無理なお願いもきいてくれるし、いろいろ相談にのってくれる。日本の職場では、同僚といえどもプライベートはどんな生活をしているのか謎の場合が多いが、こちらはみんな家族は何人でどういう生活環境かお互いよくわかっている(仕事中、自宅へまめに電話を入れるのでわかるし、仕事場に家族が訪ねてきたりもする)。
最後に、海外で日本人スタッフとして働く上で一番必要とされることは国際的な感覚ではなく、「日本人としての社会常識をもっているか」である。会社がなぜ「日本語のできるベトナム人」ではなく、ベトナム人の数倍の給料をとる日本人を雇うのか、その答えがこれである。
画像:ホーチミン市から車で3時間程の距離にある一大リゾートタウン、ブンタオのカフェ
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