■SARSその後・2 2003.6.2 update

ハノイがSARS発生地域からはずされ1ヶ月以上たった。日本では外国人旅行者が旅行後、自国でSARSを発症したいへんなことになっていたようだが、こちらはいたって平穏。高熱の患者が来院しても以前のようなスタッフの緊張はない。とはいえ、陸続きの隣は中国なので、今もスタッフと患者は院内ではマスク着用を義務付けられている(といってもスタッフの半分以上はマスクをはずしてしまった)。

こういうときは国民性があらわれるもので、SARSがハノイでなくなってからまっさきにマスクを外したのが、フランス人スタッフ。次いでベトナム人スタッフ。そしてSARSが警戒されていたころ以来、変わらず始業開始から終業時まできちんとマスクをしているのが、私達日本人スタッフ。私達の意見としては、「もはやSARSを恐れているわけではないが、マスクをしていれば、SARS以外の風邪や感染症もある程度防げるから、この習慣はぜひ続けていきたいわね」といったところだ。

医療用のマスクは顔の半分以上を覆ってしまう。そこでマスクは表情を隠してしまう、という意外な利点があることがわかった。わがままな患者を応対するとき、ムッとして口がゆがんでしまうとき、ヒマであくびをするとき、マスクはそれを隠してくれるのでとても便利。泣いている子供をあやすとき、ちょっと不便だが。。。

前回、紹介した、SARSがアウトブレイクした病院で働いている友人と先日、久しぶりに会った。彼女はとても元気そうで、病院が閉鎖されてから仲間の医者や看護婦たちと旅行に行って来たこと、毎日水泳をしていて日に焼けたこと、フランス語の学校に再び行っていることなどを話してくれた。

病院がいつ再開するか?とたずねたら、消毒と同時に進めている増築で問題が発生しているとのこと。建設業者がSARSを恐れて工事にとりかからないのだという。日本でも外国人旅行者が自国でSARSを発症してたいへんな騒ぎであったが、マスコミが煽るものだから、SARSを予防するというよりはいたずらに不安をかきたてるばかりのような印象をもった。

SARS菌の正体は、ハクビシンという野生動物の可能性があるそうだ。ベトナムではこの動物はよく食べられていると聞く。しかし、SARS騒ぎでグルメなベトナム人がこの動物を食べることをやめるかどうかははなはだ疑問ではあるが。。。


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