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「あー、やれやれ。今年も無事に終わった」。テト(ベトナムで呼ばれている正月の名称)を終えた後の感想である。今回はベトナムでの正月の過ごし方を紹介しようと思う。
日本ではお正月といえば初もうでをした後は家でのんびりテレビをみたり、デパートへ初売りをひやかしにいったり、最近では海外旅行にいってしまう人も多い。普段忙しい人もこの日ばかりはゆっくりできる期間である。
ところがベトナムの正月はとても忙しい。とくにお嫁さんや家庭の主婦は正月が明けると疲れがどっと出て寝込む人もいるほどである。その理由にベトナムの正月は長い、というのがある。今年は2月11〜14日だった(陰暦なので毎年正月の時期が変わる)。たった4日だが、正月前の一週間は新年を迎えるための買い出しにおおわらわ。交通事故もきっと増えていると思う。
物価が正月相場になり、あらゆるものが高くなる。購買必需品は新年を迎えるための新しい服や枕や布団といった寝具、家を飾る橙や桃、梅の木や色とりどりの花、市場が休みの間の食料、そのメインとしてバインチュンといわれるちまきのようなものや生きた鶏(庭につないでおいて適当なときにしめて食べる)お茶やお菓子、酒を大量に買い込む。上司や世話になった人には洋酒などの御歳暮を届けにいったりもする。そして大晦日には散髪をし、風呂にはいってさっぱりして新年を待つ。
元旦からは休む間もなくお客がひっきりなしにやってくる。家族はもてなすのに大わらわだ。こちらでは親戚、友人問わず家を訪ねることが一種の礼儀でもあるので、とくに用事がなくとも、昨日きたばかりの人もやってくる。そして迎える側はいつも大歓迎をし、夜中まで玄関の扉を開けておく。とても寒いので、家の中でも家族はコートをきて帽子をかぶっている。
食事会はお客が入れ代わるごとに行われ、その準備や皿洗いは主婦の仕事である。ベトナムならではのウンチングスタイル(もしくはヤンキー座り)での家事にあまり慣れていない私は腰と膝に来た。あの格好は痩せている人には楽であるが、太めの人には拷問に近いと思う。鶏小屋から鶏が消え(食べたから)ビールが底をつき、空き缶が山を作りだしたところで正月は終わる。
たいへんなことばかり述べてしまったが、正月は楽しいこともある。それはお年玉!ベトナムではお年玉をあげるときに「今年は勉強をがんばるように」とか「健康でありますよう」とか相手にアドバイスを与えることができる。しかしとくに相手に対して要望がない私は、若者には「かわいくいてください(もしくはハンサムでね)」親以上の年令の人には「健康でいてください」とアドバイスをした。お年玉の額は日本に比べたら少ない方で多くてもひとり数十円〜数百円程度だ(数千円あげる人もいるらしいがこれは特別)。我が家ではこの後、一家揃ってお年玉をめぐる賭けトランプが夜遅くまで熱く続く(かけ事は法律で禁じられているがご愛嬌)。
こうして正月が無事に終わっても1週間くらいは正月モードである。職場ではしばらくは仕事をしない。初出勤からバリバリ働く人はいないらしい。主婦は後片付けでしばらくは忙しい。
というわけでテトになると店や市場が閉まってしまうので、この期間はほかの国にでかける在住外国人は多いがいちどベトナムの正月を体験してみるのも楽しいと思う。
ただし、お客として。。。
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