■禁煙の思わぬ影響とは 2008.4.7 update

昨年(2007年)2月に公共施設での一部禁煙令が出てから、約一年後の今年1月1日、ついに全面的な禁煙令が施行されました。昨年ではカフェやバー、レストラン、カジノなどでの喫煙は許されていたものの、今年からは一切禁止です(昨年の記事『禁煙第一弾』をご参照下さい)。

違反者には68ユーロ、その施設の経営者には130ユーロ、状況によっては最高750ユーロまでの罰金が課されることになりました(1ユーロ=約160円、2008年3月現在)。

中には「ここはあたしのレストランなんだから、あたしは吸うわよ」と豪語するレストラン経営者のおばあちゃまもいましたが、懸念されていた反応は全体に非常におとなしく、多少の声はあがったものの、多くのフランス人が「温和に」シフトしたと、1月のニュースで伝えられました。

今日はその後のちょっとした影響について、ご報告しましょう。案の定、カフェやレストラン、ディスコでは、客足が去年に比べて20パーセント減少したそうです。またカウンターでの販売ではサンドイッチ、コーヒー、その他の飲料の売り上げも同様にダメージを受けているそうです。ちょっと一服することが、これらの消費活動をアクティブにしていたということなのでしょうか。

それでもタバコを吸わない者にとっては、安心して居られるスペースが広がり、自由に行動できる範囲が増えた・・・はずなのですが、先日思わぬ落とし穴を発見しました。タバコがなくなったせいで出た思いもかけなかった影響です。逆に言うと、タバコがあることで平気だったものが、平気ではなくなってしまったことがあるのです。何だと思いますか?

それは、ディスコでのことでした。踊るのが好きなフランス人ですから、ディスコでは幅広い年齢層が踊っています。それが楽しくて私もたまに友人と出かけますが、以前は、踊るのは好きだけれど煙ったディスコから戻ってくると、そのイヤなタバコのニオイを消すために全身シャワーを浴びて、洋服もすべて洗濯機へ投げ込んでいました。喫煙者の吐き出す煙を一晩中浴びると思うと、行く気も半減していたのです。禁煙になった今、大手を振って行ける、と期待して出かけました。もちろん「ある」うわさは耳にしていたのですが・・・高をくくっていました。

受付に入ると、ライトの照る中、煙のない澄んだ場内の空気がありました。以前より清潔な感じに気を良くして中へ。中央ではダンスを楽しんでいる多くの人がいつも通りいました。「あるうわさ」を少し心配していた私たちは「大丈夫じゃないの」と皆で顔を見回しながら安堵の声を漏らしました。

このいい感じで朝まで踊れる、と喜んで、早速踊るフロアに加わりました。そのとたんです。ウッ!!! 思わず息を止めていました。鼻をつく強烈な汗のにおいが、四方八方から攻めてきます。おまけにオ○ラのニオイも混ざり合って、絶妙な調合になっていました。

そう、「あるうわさ」とはこのことだったのです。今まではタバコのニオイで感じなかった、汗のニオイや体臭がディスコ内に充満している、というものだったのですが・・・まさにその通り、いや予想以上にすごいものでした。これだけの人間の動物的ニオイを隠していたのですから、タバコのニオイとは相当に強力なものだったとわかります。

髪にまとわりついたタバコ臭さにうんざりすることはなくなったけれど、あの体臭の中を踊ることを考えると・・・やっぱり二の足を踏んでしまうのは、おそらく私だけではない、減った客足の原因のひとつなのではないかと密かに思うのですが。

これが理由でデオドラントの売り上げが伸びたかどうかは、想像の域を出ません。でも、これを受けて、換気扇から流すことで室内のニオイを中和する製品などや、香水噴射器などがディスコ管理者に提案されているようです。

画像:スーパーの棚には、男性・女性用ともに多種多様な「脇の下用デオドラント」がズラリと並んでいます。自然化粧品会社は、体に害があるというアルミニウム成分を含まない製品を売り出し始めました。


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